第112回 看護師国家試験 午後 問8 解説
📝 問題
エリクソンが提唱する発達理論において、学童期に達成すべき心理社会的課題はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ エリクソンの発達理論で学童期の課題は「勤勉性 対 劣等感」である。
エリクソンは人生を8つの発達段階に分け、各段階に心理社会的な発達課題(危機)を設定した。 学童期(およそ6〜12歳)の課題は「勤勉性 対 劣等感」であり、学習や課題への取り組みを通じて有能感・勤勉性を獲得することが求められる。
国試ではエリクソンの各段階と課題の対応が頻出する。まぎらわしいのは学童期の前後2段階までで、幼児前期・幼児後期・青年期・成人前期の課題も年代順に言えるようにしておきたい。
自我同一性とは
「自分は何者で、どう生きていくのか」という自分についての一貫した感覚。青年期にこれをつかめないと、進路や役割が定まらない同一性拡散になる。
- 1
親密 対 孤立不正解
「親密 対 孤立」は成人前期(青年期以降)の課題であり、学童期のものではない。
- 2
自律性 対 恥・疑惑不正解
「自律性 対 恥・疑惑」は幼児前期の課題で、学童期より前の段階にあたる。
- 3
勤勉性 対 劣等感正解
「勤勉性 対 劣等感」が学童期の心理社会的課題であり、勤勉性の獲得が発達の中心となる。
- 4
自我同一性〈アイデンティティ〉の確立 対 自我同一性〈アイデンティティ〉の拡散不正解
「自我同一性の確立 対 拡散」は青年期の課題であり、学童期の後に位置づけられる。
📚 国試でよく狙われるところ
発達段階は、理論家と段階名を入れ替えて問われる。エリクソンの8段階を年代順に並べ、誰が何を唱えたかとあわせて覚えよう。
- ハヴィガーストは各期の発達課題を、ピアジェは感覚運動期→前操作期→具体的操作期→形式的操作期という認知発達段階を示した。
- エリクソンの理論では、課題を達成できないことを危機と呼び、危機を乗り越えることで次段階へ進むと考える。
| 発達段階 | 心理社会的課題 |
|---|---|
| 乳児期 | 基本的信頼 対 不信 |
| 幼児前期 | 自律性 対 恥・疑惑 |
| 幼児後期 | 自主性 対 罪悪感 |
| 学童期 | 勤勉性 対 劣等感 |
| 青年期 | 同一性 対 同一性拡散 |
| 成人前期 | 親密 対 孤立 |
| 成人期 | 生殖性 対 停滞 |
| 老年期 | 統合 対 絶望 |
参考: Erikson E.H. の心理社会的発達理論(標準的看護学教科書)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について