第112回 看護師国家試験 午後 問16 解説
📝 問題
モルヒネの副作用(有害事象)はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ モルヒネの代表的な副作用は便秘である。
モルヒネはオピオイド受容体を介して消化管運動を抑制するため、副作用として便秘が高頻度に生じる。 便秘は耐性が形成されにくく持続するため、投与開始時から下剤を併用するなどの予防が必要となる。
国試ではオピオイドの副作用が頻出する。代表的なものは便秘・悪心嘔吐・眠気で、重篤なものとして呼吸抑制がある。悪心・眠気は多くの場合数日で耐性ができて軽くなるが、便秘は持続しやすい点が特徴である。 出血・骨髄抑制は抗凝固薬や抗がん薬、難聴は一部の抗菌薬(アミノグリコシド系)などで問われる副作用であり、モルヒネの典型的副作用ではない。
耐性とは
同じ薬を使い続けるうちに体が慣れて、その作用が弱まっていくこと。オピオイドでは、副作用に耐性ができるかどうかで対応が変わる。
- 1
出血不正解
出血は抗凝固薬・抗血小板薬などで問われる副作用であり、モルヒネの典型的副作用ではない。
- 2
難聴不正解
難聴はアミノグリコシド系抗菌薬などで生じうるが、モルヒネの代表的副作用ではない。
- 3
便秘正解
便秘はモルヒネの高頻度の副作用で、耐性ができにくく持続するため下剤併用が必要となる。
- 4
骨髄抑制不正解
骨髄抑制は抗がん薬などで問われる副作用であり、モルヒネの典型的副作用ではない。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
モルヒネの副作用は「便秘だけは耐性ができない」を軸にすると整理できる。悪心・眠気は数日で体が慣れる側、と分ければ下の表は暗記しなくても再現できる。
- がん疼痛ではWHO方式に沿い、経口的に・時刻を決めて・患者ごとの量で・その上で細かい配慮をという原則で投与する。
- 突出痛にはレスキュー・ドーズ(速放製剤)を用いる。定時の薬とは別に、痛みが強くなったときにそのつど追加する分のことをいう。
- モルヒネは活性代謝物が腎排泄のため、腎機能低下時には蓄積して眠気・呼吸抑制が強まる。
| 副作用 | 耐性 | 対応 |
|---|---|---|
| 便秘 | 形成されにくく持続する | 投与開始時から下剤を計画的に併用する |
| 悪心・嘔吐 | 数日〜1週間で形成される | 制吐薬を併用し経過をみる |
| 眠気 | 数日で形成される | 経過観察。増量直後は転倒に注意 |
| 呼吸抑制 | — | 最も重篤。麻薬拮抗薬ナロキソンで拮抗する |
参考: 標準的な薬理学(オピオイド鎮痛薬の副作用)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について