第112回 看護師国家試験 午前 問65 解説
📝 問題
小児期から青年期に発症し、運動性チック、音声チック及び汚言の乱用を伴うのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 小児期から青年期に発症し、運動性チック・音声チック・汚言(コプロラリア)を伴うのはトゥレット障害である。
トゥレット障害は、多彩な運動性チックと1つ以上の音声チックが1年以上持続する神経発達症で、小児期〜青年期に発症する。音声チックの一部として汚言(コプロラリア=不随意に卑猥・不適切な言葉を発する)を伴うことがあり、本問の記述に合致する。
チックは意図しない突発的・反復的な運動や発声で、緊張や疲労で増悪し、睡眠時に消失しやすい。トゥレット障害はADHDや強迫症を併存しやすいことも知られる。
ダウン症候群は染色体異常、ADHDは不注意・多動が主徴、レノックス・ガストー症候群は難治性てんかんであり、いずれもチック・汚言を主徴としない。 「チック+汚言=トゥレット」と覚える。
神経発達症とは
生まれつきの脳の発達の偏りにより幼少期から症状が現れる病気のまとまり。発達障害とほぼ同じ意味で、ADHDや自閉スペクトラム症、チック症が含まれる。
- 1
Down〈ダウン〉症候群不正解
ダウン症候群は21トリソミーによる染色体異常で、特有の身体的特徴や発達の遅れを伴うが、チック・汚言を主徴としない。
- 2
Tourette〈トゥレット〉障害正解
運動性チック・音声チックに加え汚言(コプロラリア)を伴うことがあるトゥレット障害の特徴に合致する。
- 3
注意欠如・多動性障害〈ADHD〉不正解
ADHDは不注意・多動・衝動性を主徴とし、チックや汚言を中核症状としない。
- 4
Lennox-Gastaut〈レノックス・ガストー〉症候群不正解
レノックス・ガストー症候群は小児期発症の難治性てんかんで、複数のてんかん発作型を特徴とする。
📚 国試でよく狙われるところ
トゥレット障害を含むチック症は、分類・発症時期・併存症がまとめて問われる。 アメリカ精神医学会の診断基準であるDSM-5では、チックの種類と持続期間でチック症を分類する。
- 発症は18歳以前で、多くは4〜6歳ごろに始まり10歳前後に強くなる
- ADHDや強迫症の併存が多く、学習や対人関係の困難につながる
- 汚言(コプロラリア)は必発ではなく、トゥレット症の一部にみられる音声チックである
| 分類 | チックの種類 | 持続期間 |
|---|---|---|
| トゥレット症 | 多彩な運動チック+1つ以上の音声チック | 1年以上 |
| 持続性(慢性)運動または音声チック症 | 運動チックか音声チックの一方のみ | 1年以上 |
| 暫定的チック症 | 運動・音声チックを問わない | 1年未満 |
参考: DSM-5 神経発達症群(チック症/トゥレット症)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について