第112回 看護師国家試験 午前 問51 解説

一般成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

成人のばね指で正しいのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ ばね指の原因は、屈筋腱とそれを包む腱鞘に起こる炎症である。

ばね指(弾発指)は、指を曲げ伸ばしする屈筋腱と、それを包む腱鞘に炎症・肥厚が起こり、腱の滑走が妨げられる腱鞘炎の一種である。 指を伸ばすときに引っかかり、ばねのようにカクンと跳ねる弾発現象が特徴で、これがばね指という名前の由来である。

ばね指は妊娠・出産期や更年期の女性、糖尿病・関節リウマチのある人に多く、男性に多いわけではない。好発部位は母指(親指)・中指・環指で、示指(人差し指)が特に多いわけではない。治療は安静と局所の消炎(ステロイド注射など)が基本で、炎症を伴う急性期に積極的なストレッチを行うと症状を悪化させうる。

  • 1

    男性に多い。不正解

    ばね指は妊娠・更年期の女性や糖尿病患者に多く、男性に多いわけではない。

  • 2

    原因は腱の炎症である。正解

    ばね指は屈筋腱と腱鞘の炎症・肥厚により腱の滑走が妨げられる腱鞘炎である。

  • 3

    好発部位は示指である。不正解

    好発部位は母指・中指・環指が多く、示指が特に多いわけではない。

  • 4

    積極的にストレッチを行う。不正解

    炎症を伴う時期に積極的なストレッチを行うと悪化しうるため適切でない。安静・消炎が基本である。

📚 混同しやすいので注意

手や指の痛み・しびれは、腱鞘の炎症によるものと神経の圧迫によるものに分けて覚える。

  • ばね指・手根管症候群はいずれも糖尿病・関節リウマチ・透析・妊娠を背景にもつことが多く、基礎疾患の管理が重要
手の代表的な腱鞘障害・絞扼性神経障害
疾患病態特徴的な所見
ばね指(弾発指)屈筋腱と腱鞘(A1プーリー部)の炎症指を伸ばすときの引っかかり・弾発現象。母指・中指・環指に多い
ド・ケルバン腱鞘炎短母指伸筋腱・長母指外転筋腱の腱鞘炎手関節橈側の痛み。フィンケルシュタインテスト陽性。産後・更年期の女性に多い
手根管症候群手根管内での正中神経の絞扼母指〜環指橈側のしびれ、母指球の萎縮、夜間・明け方の増悪。手首を叩くとしびれが走るティネル徴候、手の甲を合わせて手首を曲げるとしびれが強まるファーレンテストが陽性
肘部管症候群肘部での尺骨神経の絞扼小指と環指尺側のしびれ、鷲手変形

参考: 運動器疾患・手指の腱鞘炎(ばね指)に関する標準的看護学教科書

出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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