第112回 看護師国家試験 午前 問22 解説

⭐ 必修基礎看護学✔ 監修済み

📝 問題

薬物の吸収速度が最も速いのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 薬物の吸収が最も速いのは、血管内に直接入れる静脈内注射である。

薬物が全身循環に到達する速さは投与経路により異なる。静脈内注射は薬物を直接血液中に投与するため吸収過程を経ず、作用発現が最も速い(生物学的利用率は実質100%)。

国試では投与経路と吸収・作用発現の速さの比較が問われる。おおむね静脈内>筋肉内>皮下>直腸内>経口の順に速く、経口は消化管吸収と肝初回通過効果があるため遅く、効果も弱まりやすい。急いで効かせたいときに静脈内注射が選ばれるのはこのためである。

生物学的利用率とは

投与した薬のうち、実際に全身の血液まで届く割合のこと。飲み薬は消化管での吸収の悪さや肝臓での分解で目減りする。

肝初回通過効果とは

飲み薬が腸から吸収されたあと、全身に回る前に肝臓で分解されること。舌下錠や坐薬はこれを避けられる。

  • 1

    経口投与不正解

    経口投与は消化管吸収と肝初回通過を経るため、作用発現は最も遅い部類である。

  • 2

    筋肉内注射不正解

    筋肉内注射は経口より速いが、血管内に直接入る静脈内注射には及ばない。

  • 3

    静脈内注射正解

    静脈内注射は血液中に直接投与するため吸収過程がなく最も速く作用する。

  • 4

    直腸内投与不正解

    直腸内投与は一部肝初回通過を回避できるが、静脈内注射ほど速くはない。

📚 ここも一緒におさえておこう

薬は入れ方によって効き始めの速さが変わる。看護師が行うときの注意もあわせて確認する。

  • 静脈内注射は看護師が実施できるが、医師の指示のもとで行い、投与速度と全身状態の観察が不可欠
投与経路の特徴
経路作用発現特徴
静脈内最も速い吸収過程がなく利用率は実質100%。副作用も急激に現れる
筋肉内速い血流が豊富。中殿筋(クラークの点)や三角筋を用いる
皮下緩やかインスリン、ワクチンなど。吸収は運動や加温で速まる
直腸内やや速い一部は肝初回通過効果を回避。嘔吐時や小児に有用
舌下速い初回通過効果を回避。ニトログリセリンが代表
経口最も遅い消化管吸収+肝初回通過効果。簡便で安全性が高い

参考: 標準的な薬理学(投与経路と吸収速度)

出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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