第111回 看護師国家試験 午後 問68 解説
📝 問題
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉において、精神科病院で隔離中の患者に対し、治療上で必要な場合に制限できるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 隔離中に治療上制限できるのは家族との面会である
精神保健福祉法では、患者の権利を守るため、いかなる場合でも制限してはならない「絶対に制限できない行動」が定められている。それは、①信書の発受(手紙のやり取り)、②人権擁護に関する行政機関の職員(都道府県・地方法務局など)との電話、③代理人である弁護士・患者の代理人となろうとする弁護士との電話・面会である。これらは基本的人権に直結するため制限できない。
面会は、治療上の理由で必要な場合には一時的に制限できる(絶対的制限禁止の対象ではない)。 選択肢のうち制限できるのは「家族との面会」である。 他の選択肢は、隔離中であっても扱いが変わらない。 信書の発信・退院請求・人権擁護に関する行政機関の職員との電話は、いずれも制限してはならない行動に当たる。
覚え方: 「手紙・人権擁護機関との電話・弁護士との連絡は絶対に切れない」。面会は治療上必要なら制限可、と対比して覚える。国試では処遇(隔離・身体拘束)と制限できない行動の組合せが頻出であり、退院請求権や信書の発受は必ず守られる点を押さえる。
信書とは
特定の相手に宛てて書いた手紙のこと。精神科病院では、やり取りをいかなる場合も制限できない。
隔離とは
精神科で、内側からは出られない部屋に患者を1人だけ入れること。12時間を超えるときは精神保健指定医の判断が要る。
- 1
家族との面会正解
面会は絶対的制限禁止の対象ではなく、治療上必要な場合は一時的に制限できる。
- 2
患者からの信書の発信不正解
信書(手紙)の発受はいかなる場合も制限できない基本的人権に関わる行動である。
- 3
患者からの退院の請求不正解
退院の請求は患者の権利として保障されており、制限できない。
- 4
人権擁護に関する行政機関の職員との電話不正解
人権擁護に関する行政機関の職員との電話は制限してはならない行動に含まれる。
📚 国試でよく狙われるところ
精神科の行動制限は、何を制限できるかと、制限した後に何をするかの両方が問われる。手続きと記録までを一組にして覚えよう。 12時間を超える隔離と身体的拘束は、精神保健指定医が必要と認めなければ行えない(12時間以内の隔離は指定医以外の医師でも指示できる)。
- 隔離中は医師が原則として少なくとも1日1回診察し、定期的な会話等による臨床的観察を行う。
- 身体的拘束中は頻回に診察し、深部静脈血栓症の予防に留意する。
- 行動制限はその理由・開始と解除の日時を診療録に記載する。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| いかなる場合も制限できない | 信書の発受/人権擁護に関する行政機関の職員との電話・面会/代理人である弁護士との電話・面会 |
| 治療上必要なら制限できる | 家族等との面会・電話、外出、所持品 など |
| 精神保健指定医の判断が必要 | 身体的拘束、12時間を超える隔離 |
参考: 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について