第111回 看護師国家試験 午後 問63 解説
📝 問題
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉について正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ DV防止法の「配偶者」には事実婚(内縁)の者が含まれる
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)では、「配偶者」に法律婚の相手だけでなく「事実上婚姻関係と同様の事情にある者」(事実婚・内縁)が含まれる。さらに離婚後(事実婚解消後)も引き続き暴力を受ける場合や、生活の本拠を共にする交際相手も準用される。
他の選択肢は、機関の役割や法の目的と合わない。 保護命令(接近禁止命令・退去等命令など)を出すのは裁判所であり、配偶者暴力相談支援センターではない。センターは相談・カウンセリング・一時保護・情報提供などを担う。 DVを発見した者は配偶者暴力相談支援センターまたは警察官に通報するよう努める(保健所ではない)。 同法の目的は被害者の保護であり、加害者の矯正は法の目的として明記されていない。
覚え方: 「保護命令は裁判所、相談・一時保護はセンター、通報先はセンターか警察」。国試では通報先・保護命令の主体・配偶者の範囲が繰り返し問われている。
保護命令とは
裁判所が加害者に対して、被害者への接近や電話などを禁じる命令。違反すると罰則がある。
内縁とは
婚姻届は出していないが、実際に夫婦として生活している関係。事実婚ともいう。
- 1
配偶者暴力相談支援センターは被害者の保護命令を出すことができる。不正解
保護命令を発するのは裁判所。支援センターは相談・一時保護・情報提供を担う機関である。
- 2
配偶者には事実上婚姻関係と同様の事情にある者が含まれる。正解
事実上婚姻関係と同様の事情にある者(事実婚・内縁)も配偶者に含まれる。
- 3
配偶者からの暴力を発見したときは、保健所へ通報する。不正解
DVを発見したときの通報・努力義務の対象は配偶者暴力相談支援センターまたは警察官。保健所ではない。
- 4
加害者の矯正が法の目的に含まれる。不正解
法の目的は被害者の保護と自立支援であり、加害者の矯正は目的に含まれていない。
📚 混同しやすいので注意
配偶者からの暴力(DV)では、「どこが何をするか」が繰り返し問われる。被害者を守る流れに沿って、通報から保護命令までを一続きで覚えよう。 保護命令を出すのは地方裁判所、相談・一時保護を担うのは配偶者暴力相談支援センター、という役割分担で覚える。
- 保護命令には接近禁止命令、退去等命令、電話等禁止命令、子や親族等への接近禁止命令がある。
- DVを発見した者は配偶者暴力相談支援センターまたは警察官へ通報するよう努める(努力義務)。
- 医師などの医療関係者は、DVによる負傷を発見したとき本人の意思を尊重したうえで通報でき、これは守秘義務違反にならない。
参考: 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について