第111回 看護師国家試験 午後 問19 解説

⭐ 必修基礎看護学✔ 監修済み

📝 問題

大腸の狭窄による便秘はどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 大腸の狭窄による便秘は器質性便秘である。

便秘は器質性と機能性に大別される。 大腸癌・腸管の狭窄・炎症など、腸そのものの形態的異常(器質的病変)による便秘を器質性便秘とよぶ。 設問の「大腸の狭窄による便秘」はこれにあたる。

機能性便秘の3型を対比して覚える。弛緩型便秘=大腸の蠕動低下(高齢者・運動不足に多い)、痙攣型便秘=副交感神経の過緊張で腸管が痙攣(過敏性腸症候群、兎糞状便)、直腸性便秘=便意の我慢の習慣化で直腸に便が停滞。 これらは腸に器質的異常がないのに対し、狭窄・腫瘍など構造的な原因があるものが器質性便秘である。

国試では「便秘の分類」と各型の原因の対応が頻出である。狭窄・腫瘍・イレウスなど『物理的な通過障害=器質性』と結びつけると判別しやすい。 器質性便秘は原疾患(大腸癌など)の検索が重要となる。

蠕動とは

腸が波打つように動いて、中身を先へ送り出す動き。

兎糞状便とは

うさぎの糞のような、小さくころころした硬い便。痙攣型便秘でみられる。

  • 1

    器質性便秘正解

    腸の狭窄など形態的異常による便秘は器質性便秘である。

  • 2

    痙攣型便秘不正解

    痙攣型便秘は腸管の痙攣による機能性便秘で、器質的異常はない。

  • 3

    弛緩型便秘不正解

    弛緩型便秘は大腸の蠕動低下による機能性便秘。

  • 4

    直腸性便秘不正解

    直腸性便秘は便意抑制の習慣化による機能性便秘。

📚 国試でよく狙われるところ

薬剤性便秘の代表はオピオイド(麻薬性鎮痛薬)・抗コリン薬・抗うつ薬。 オピオイドの便秘は耐性ができないため、開始時から緩下薬を併用する。

  • 血便・体重減少・便柱の狭小化を伴う便秘は器質性(大腸癌など)を疑い、原疾患の検索が必要。
  • 弛緩型には食物繊維・水分・適度な運動・腹部マッサージが有効だが、痙攣型では刺激の強い食品や過度の食物繊維はかえって悪化させる。
  • 下剤は、塩類下剤(酸化マグネシウム)=便を軟らかくする、刺激性下剤(センナ・ピコスルファート)=腸を刺激する。刺激性下剤の連用は耐性・依存を招く。
  • 浣腸は左側臥位で、成人はカテーテルを5cm程度挿入し、39〜40℃の液をゆっくり注入する。立位での実施は直腸穿孔の危険があり禁忌。
便秘の分類
分類主な原因特徴
器質性大腸癌、腸管の狭窄・癒着、炎症構造的な通過障害。原疾患の検索が必要
機能性・弛緩型大腸の蠕動低下(高齢者、運動不足、腹筋力低下)太く硬い便。最も多い
機能性・痙攣型副交感神経の過緊張(過敏性腸症候群、ストレス)兎糞状の便、腹痛を伴う
機能性・直腸性便意の我慢の習慣化、下剤・浣腸の乱用直腸に便が停滞。排便習慣の確立が重要

出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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