第111回 看護師国家試験 午後 問18 解説
📝 問題
左心不全でみられる症状はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 左心不全でみられるのは起坐呼吸である。
左心不全では左心のポンプ機能が低下して肺うっ血が生じ、呼吸困難・起坐呼吸・肺水腫(湿性ラ音)・咳嗽・血痰などの肺の症状が現れる。 起坐呼吸は臥位で肺うっ血が増悪して呼吸困難が強まるため、上体を起こすと楽になる状態を指す。
左心不全と右心不全を対比して覚える。左心不全=肺うっ血=呼吸器症状(起坐呼吸・肺水腫)。右心不全=体循環のうっ血=肝腫大・下腿浮腫・頸静脈怒張・腹水。 選択肢のうち肝腫大・下腿浮腫・頸静脈怒張はすべて右心不全の所見であり、起坐呼吸だけが左心不全に該当する。
国試では左心不全=肺うっ血・起坐呼吸、右心不全=全身の静脈うっ血・浮腫という対比が頻出の定番である。
肺うっ血とは
左心が血液を送り出せず、肺の血管に血液がたまった状態。息苦しさの原因になる。
湿性ラ音とは
肺に水分がたまったときに聴診で聞こえる、ぶくぶく・ぱちぱちという音。
- 1
肝腫大不正解
肝腫大は体循環のうっ血による右心不全の所見。
- 2
下腿浮腫不正解
下腿浮腫は右心不全による全身静脈うっ血の所見。
- 3
起坐呼吸正解
肺うっ血による起坐呼吸は左心不全の代表的症状である。
- 4
頸静脈怒張不正解
頸静脈怒張は右心不全による静脈系うっ血の所見。
📚 混同しやすいので注意
心不全の重症度はNYHA心機能分類(Ⅰ〜Ⅳ度)で自覚症状から評価する。 血液検査ではBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が重症度を反映する。
- 左心不全が進むと右心にも負担がかかり、最終的には両心不全となる。
- 看護では安楽な体位(起坐位・ファウラー位)、塩分・水分制限、毎日の体重測定、水分出納の管理、活動と休息のバランスが要点。
- 急激な体重増加は体液貯留のサインで、心不全増悪の早期指標となる。
- 急性心筋梗塞に伴う心不全の評価にはKillip(キリップ)分類、血行動態にはForrester(フォレスター)分類が用いられる。
| 左心不全 | 右心不全 | |
|---|---|---|
| うっ血する場所 | 肺(肺循環) | 全身の静脈(体循環) |
| 主な症状・所見 | 呼吸困難、起坐呼吸、発作性夜間呼吸困難、咳嗽・ピンク色泡沫状痰、湿性ラ音 | 頸静脈怒張、肝腫大、下腿浮腫、腹水、体重増加、食欲不振 |
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について