第111回 看護師国家試験 午前 問70 解説
📝 問題
気管切開下で人工呼吸器を装着している利用者に対して、訪問看護事業所が災害に備えて行うことで適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 災害時の個別支援マニュアルを作成しておくことが適切である
気管切開をして人工呼吸器を使っている在宅療養者は、停電や機器の故障がそのまま命に関わる災害時要配慮者である。 訪問看護事業所の備えとしては、利用者一人ひとりの状態・機器・連絡先・避難先・電源の確保方法をまとめた災害時の個別支援マニュアルを平時に作っておくことが最も適切である。
他の選択肢は訪問看護事業所の役割から外れている。予備の回路や非常用の人工呼吸器は必要だが、そろえるのは利用者・機器業者・主治医との調整で行うことで、事業所が預かったり医療機関から借りたりするものではない。事業所内に避難場所を設けるのも現実的でない。
災害時要配慮者とは
災害のときに特別な配慮が必要な人のこと。高齢者・障害者・乳幼児・妊産婦・外国人などが含まれる。
- 1
人工呼吸器の予備の回路を預かる。不正解
予備回路の準備は必要だが、事業所が回路を預かるのは在宅管理体制として適切でない。
- 2
災害時の個別支援マニュアルを作成する。正解
利用者ごとの災害時個別支援マニュアルを平時に作成しておくことが最も適切である。
- 3
医療機関から非常用の人工呼吸器を借りる。不正解
非常用人工呼吸器の確保は必要だが、医療機関から借りるという対応は現実的な備えとして適切でない。
- 4
事業所内に利用者が避難できる場所を確保する。不正解
訪問看護事業所内に避難場所を確保するのは事業所の機能として現実的でない。
📚 国試でよく狙われるところ
人工呼吸器を使う人の災害対策は、「停電したらどうするか」を軸に問われる。電源・用手換気・連絡先の3つを平時に決めておく、と覚えよう。 作った計画は本人・家族・事業所・主治医・行政・機器業者・電力会社で共有しておく。
- 災害対策基本法により、市町村は避難行動要支援者名簿の作成が義務づけられ、個別避難計画の作成は努力義務とされている。
- 停電に備え、内部バッテリーの作動時間を把握し、外部バッテリー・自家発電機・車のシガーソケット等の電源を複数確保する。
- 機器が使えないときのためにバッグバルブマスク(用手換気)を常備し、家族が手技を実施できるようにしておく。
- 吸引器・加温加湿器・注入器具など電源が要る周辺機器と、消耗品の備蓄(1週間以上が目安)も計画に含める。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について