第111回 看護師国家試験 午前 問66 解説
📝 問題
認知行動療法で患者に期待できる効果はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 認知行動療法により物事の捉え方(認知)のゆがみが修正される
認知行動療法(CBT〈シービーティー〉)は、出来事に対してとっさに浮かぶ考え(自動思考)や偏った物事の捉え方に働きかけ、より現実的な考え方へ修正する精神療法である。考え方が変わることで、気分や行動も変わっていく。うつ病や不安症に広く用いられる。
他の選択肢は別の療法を指す。自ら催眠状態に導くのは自律訓練法、過去の自分への洞察を深めるのは精神分析、あるがままに受け入れるのは森田療法の考え方である。
自動思考とは
出来事に出会った瞬間、意識しなくてもぱっと頭に浮かぶ考え。認知行動療法では、これを書き出して現実と合っているか確かめていく。
森田療法とは
症状を消そうとするのをやめ、不安を抱えたまま必要な行動をしていく日本で生まれた精神療法。この姿勢を「あるがまま」という。
- 1
物事の捉え方のゆがみが修正される。正解
認知行動療法は認知のゆがみに働きかけ、物事の捉え方を修正する。
- 2
自ら催眠状態に導くことができるようになる。不正解
自ら催眠状態に導くのは自律訓練法・自己催眠に関する記述である。
- 3
過去の自分の態度についての自己洞察が深まる。不正解
過去への自己洞察を深めるのは精神分析的アプローチであり、CBTの主目的ではない。
- 4
自分の状態をあるがままに受け入れることができるようになる。不正解
あるがままに受け入れるは森田療法の中核概念である。
📚 国試でよく狙われるところ
精神療法は、療法名とキーワードを入れ替えて問われる。認知行動療法の中身も含めて、名前と合言葉を対にして覚えよう。
- 認知のゆがみの例=全か無か思考、過度の一般化、破局視、個人化(自己関連づけ)など。
- ホームワーク(宿題)を用い、面接外での実践と記録を重視するのが特徴。
- 行動面の技法には曝露反応妨害法(強迫症)、行動活性化(うつ病)などがある。
| 療法 | キーワード |
|---|---|
| 認知行動療法 | 自動思考・認知のゆがみの修正 |
| 森田療法 | あるがまま(症状へのとらわれからの脱却) |
| 精神分析療法 | 無意識の葛藤・自由連想・洞察 |
| 自律訓練法 | 自己暗示によるリラクセーション |
| SST(生活技能訓練) | ロールプレイによる対人技能の学習 |
| 作業療法 | 作業・活動を通じた機能回復と社会参加 |
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について