第111回 看護師国家試験 午前 問64 解説
📝 問題
マタニティブルーズについて正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ マタニティブルーズは産後のホルモンの急激な変動が要因となる
マタニティブルーズは、産後数日以内(産後3〜10日頃)にあらわれる一過性の情緒の不安定さで、涙もろさ・不安・気分の落ち込み・集中力の低下がみられる。原因は、分娩後にエストロゲンやプロゲステロンが急激に減るホルモンの変動と考えられている。
他の選択肢は産後うつ病の特徴に近い。主症状は意欲低下ではなく涙もろさや情緒の不安定さで、好発時期も産後1か月頃ではなく産後数日〜1週間頃である。産後1〜2週間以内に自然に軽快し、2週間以上続くときは産後うつ病を疑う。
プロゲステロンとは
妊娠を続けるために胎盤から大量に出るホルモン。分娩で胎盤が出ると急に減り、この落差が気分の変動に関わる。
- 1
意欲低下が主症状である。不正解
主症状は涙もろさや情緒不安定であり、意欲低下が主症状というのは産後うつ病に近い記述である。
- 2
症状は2週間以上持続する。不正解
マタニティブルーズは一過性で数日〜1週間程度で軽快する。2週間以上続く場合は産後うつ病を疑う。
- 3
好発時期は産後1か月ころである。不正解
好発時期は産後数日〜1週間頃であり、産後1か月頃ではない。
- 4
産後のホルモンの変動が要因となる。正解
分娩後の急激なホルモン変動が主要な要因と考えられている。
📚 混同しやすいので注意
マタニティブルーズと産後うつ病は、始まる時期と続く長さを入れ替えて問われる。「数日で治るか、2週間以上続くか」で見分けよう。
- 産後うつ病のスクリーニングにはエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)が広く用いられる。
- 産褥精神病はまれだが幻覚・妄想を伴い、緊急の精神科的対応を要する。
- 産婦健康診査(産後2週・1か月)や産後ケア事業は、こうした変調の早期発見・支援の場として位置づけられている。
| 項目 | マタニティブルーズ | 産後うつ病 |
|---|---|---|
| 発症時期 | 産後3〜10日頃 | 産後2週〜数か月 |
| 持続 | 数日〜1週間程度で自然軽快 | 2週間以上持続 |
| 主な症状 | 涙もろさ・情緒不安定 | 抑うつ気分・意欲低下・自責感 |
| 対応 | 傾聴と休息の確保 | 精神科治療・継続的支援が必要 |
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について