第111回 看護師国家試験 午前 問12 解説
📝 問題
有害物質を無毒化し排泄する臓器はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 有害物質を無毒化し排泄する臓器は肝臓である。
肝臓は、薬物・アルコール・アンモニアなどの有害物質を化学的に変化させて無毒化する解毒のはたらきをもつ。蛋白質の代謝で生じた有害なアンモニアを尿素に変え、腎臓から尿へ捨てられるようにするのが代表例である。
肝臓はほかにも、糖・脂質・蛋白質の代謝、アルブミンや凝固因子の合成、胆汁の生成、栄養の貯蔵を担っている。 そのため体の化学工場とよばれる。
覚え方は「解毒といえば肝臓」。お酒を分解するのも肝臓、と日常のイメージで結びつける。
胆汁とは
肝臓でつくられ、脂肪の消化吸収を助ける液。消化酵素は含まず、胆囊にためられてから十二指腸へ出る。
- 1
胃不正解
胃は食物の消化・撹拌と胃酸分泌が主で、解毒作用は担わない。
- 2
肝臓正解
肝臓は薬物・アルコール・アンモニアを無毒化し胆汁・尿中排泄へ導く解毒臓器。
- 3
膵臓不正解
膵臓は消化酵素とインスリン等の分泌が主で、解毒臓器ではない。
- 4
大腸不正解
大腸は水分吸収と便形成が主機能で、有害物質の無毒化は行わない。
📚 ここも一緒におさえておこう
肝臓は、はたらきと、それが落ちたときに出る症状を結びつけて問われる。合成・解毒・胆汁の3つに分けて覚えよう。 検査値もこの3つに対応している。
- 合成能低下 → アルブミン低下(浮腫・腹水)、凝固因子低下(PT延長・出血傾向)。
- 解毒能低下 → 高アンモニア血症から肝性脳症(羽ばたき振戦・意識障害)。
- 胆汁うっ滞 → 黄疸・搔痒感・灰白色便。
| 項目 | 意味するもの |
|---|---|
| AST・ALT | 肝細胞障害の指標 |
| ALP・γ-GTP | 胆道系(胆汁うっ滞)の指標 |
| アルブミン | 肝の蛋白合成能 |
| プロトロンビン時間(PT) | 凝固因子の合成能 |
| アンモニア | 解毒能(肝性脳症と関連) |
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について