第111回 看護師国家試験 午前 問11 解説
📝 問題
右大腿骨前面を図に示す。大腿骨頸部はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 大腿骨頸部は、骨頭のすぐ下でやや細くなった部位(図の③)である。
大腿骨の上端は、球状の大腿骨頭、その下でくびれて細くなる大腿骨頸部、外側に張り出す大転子、内側下方の小転子からなる。骨頭を骨幹につなぐ細い部分が大腿骨頸部で、図では③にあたる。
大腿骨頸部は、骨粗鬆症のある高齢女性が転倒したときに折れやすい。頸部は血流に乏しく、折れると骨頭への血行が途絶えて骨頭壊死や偽関節を起こしやすいため、人工骨頭置換術が選ばれることが多い。
偽関節とは
骨折した部分がくっつかないまま治癒が止まり、関節のように動いてしまう状態。血流の乏しい大腿骨頸部で起こりやすい。
人工骨頭置換術とは
血行が途絶えた大腿骨頭を切り取り、金属やセラミックの人工骨頭に取り替える手術。早く体重をかけられるので、高齢者の頸部骨折で選ばれる。
- 1
①不正解
①は外側に大きく張り出した大転子で、股関節を動かす筋が付く部位。頸部ではない。
- 2
②不正解
②は上端の球状の大腿骨頭。寛骨臼にはまって股関節をつくり、頸部はそのすぐ下にある。
- 3
③正解
③は骨頭のすぐ下でくびれて細くなった部分で、大腿骨頸部にあたる。
- 4
④不正解
④は内側下方にある小さな突起の小転子で、腸腰筋が付く。頸部より遠位にある。
📚 国試でよく狙われるところ
大腿骨近位部の骨折は、頸部と転子部のどちらかを問われる。骨折線が関節包の内か外かで血流も治療法も変わる——この一組で覚えよう。
- 頸部骨折は関節包内で骨頭への血流が乏しく、癒合不全・骨頭壊死を起こしやすい。
- 転子部骨折は関節包外で血流が豊富なため、骨接合術による癒合が期待できる。
- 典型的な所見は患肢の外旋位・短縮と股関節部痛による起立・歩行困難。
- 高齢者では骨折を契機に廃用症候群へ進みやすく、早期離床・リハビリテーションが重要。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について