第110回 看護師国家試験 午後 問74 解説
📝 問題
胸膜腔に存在するのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 胸膜腔に存在するのは少量の漿液(胸膜液)である。
胸膜腔は、肺を包む臓側胸膜と胸壁側の壁側胸膜の間の閉じた空間で、ここには潤滑の役割を果たす少量の漿液(胸膜液)が存在する。この漿液が呼吸運動に伴う両胸膜の滑りを円滑にする。 胸膜腔内は通常大気圧より低い陰圧に保たれ、これにより肺は膨らんだ状態を維持できる。
空気が胸膜腔に入ると気胸となり肺が虚脱する。血液が貯留すれば血胸、漿液が過剰に貯留すれば胸水(胸膜液の増加)となる。滑液は関節腔、粘液は気道や消化管の粘膜が分泌するもので、胸膜腔には存在しない。
漿液とは
透明でさらさらした体液。胸膜腔では、こすれ合う膜のあいだで潤滑油の役目をする。
気胸とは
胸膜腔に空気が入り、陰圧が保てなくなって肺がしぼんだ状態。突然の胸痛と呼吸困難で気づかれる。
- 1
滑液不正解
滑液は関節腔に存在する潤滑液で、胸膜腔のものではない。
- 2
空気不正解
胸膜腔に空気が入るのは気胸の病的状態で、正常では存在しない。
- 3
血液不正解
血液が胸膜腔に貯留するのは血胸であり、正常では存在しない。
- 4
漿液正解
胸膜腔には両胸膜の滑りを円滑にする少量の漿液が存在する。
- 5
粘液不正解
粘液は気道や消化管の粘膜が分泌するもので、胸膜腔には存在しない。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
胸膜腔は、陰圧が保たれているときと破れたときを入れ替えて問われる。陰圧があるかないかで肺がどうなるかを追えば、仕組みから答えを出せる。 胸膜腔が陰圧に保たれることで肺は膨らんだ状態を維持でき、この陰圧が破れた状態が気胸である。
- 胸膜腔内圧は安静呼気時も陰圧で、吸気時にはさらに陰圧が強まる
- 緊張性気胸では患側の呼吸音減弱・鼓音、頸静脈怒張、気管の健側偏位を生じ、緊急脱気を要する
- 胸腔ドレーンは脱気目的なら前胸部の上方、排液目的なら側胸部の下方に留置する
- 水封室の呼吸性移動が消失したときは、閉塞や肺の再膨張を考える
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について