第110回 看護師国家試験 午後 問64 解説
📝 問題
攻撃性の高まった成人患者への対応で正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 攻撃性が高まった患者には身振り手振りを少なくし、刺激を減らした対応が適切である。
攻撃性が高まった患者への対応の原則は、患者と看護師双方の安全を確保しつつ、刺激を最小限にして興奮を鎮めること(ディエスカレーション)である。過剰な身振り手振りは威嚇や挑発と受け取られ興奮を助長するおそれがあるため、動作は穏やかで少なくする。
正面に立つと対決的な印象を与えるため、やや斜めの位置をとるのが望ましい。 適度なアイコンタクトは関心を示すために保つが、凝視は威圧となるため避ける。 ボディタッチは不意の接触が攻撃を誘発する危険があり、この状況では避ける。 あわせて逃げ道の確保や複数人での対応、落ち着いた低い声での対話が基本となる。
ディエスカレーションとは
興奮した人を力で抑えるのではなく、声の調子・距離・立ち位置を整えて落ち着かせる関わり。隔離や身体的拘束の前に必ず試みる。
- 1
患者の正面に立つ。不正解
正面に立つと対決姿勢と受け取られ興奮を助長するため、やや斜めの位置をとる。
- 2
アイコンタクトは避ける。不正解
アイコンタクトを完全に避けるのではなく、凝視を避けつつ適度に保つのが適切である。
- 3
身振り手振りは少なくする。正解
大きな身振り手振りは挑発・威嚇と受け取られやすいため、動作を少なくして刺激を減らす。
- 4
ボディタッチを積極的に用いる。不正解
不意のボディタッチは攻撃を誘発する危険があり、興奮した患者には積極的に用いない。
📚 場面問題で迷ったら
攻撃性への対応は、選択肢が刺激を増やす側か減らす側かで正誤が決まる。まず双方の安全を確保し、次に刺激を減らして落ち着ける環境をつくる、という順で覚えよう。
- 患者との間には腕が届かない程度の距離をとり、正面ではなくやや斜めに立つ
- 看護師は出口側に位置し、患者と自分の双方に逃げ道を確保する
- 低くゆっくりした声で短く話し、要求を頭ごなしに否定しない
- 1人で対応せず複数のスタッフで当たり、危険物は事前に片付ける
- 隔離・身体的拘束は最後の手段で、精神保健指定医の判断による
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について