第110回 看護師国家試験 午後 問6 解説
📝 問題
妊娠初期の感染で児に難聴が生じる可能性が高いのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 妊娠初期の風疹感染は先天性風疹症候群による難聴を生じやすい。
妊娠初期に母体が風疹に感染すると、経胎盤感染により先天性風疹症候群(CRS)を起こす可能性がある。CRSの三徴は難聴・白内障・先天性心疾患であり、特に難聴の頻度が高い。妊娠週数が早いほどリスクが高い。
予防はワクチン接種による抗体獲得だが、風疹ワクチンは生ワクチンで妊娠中は接種できないため、妊娠を考える前に済ませておく。
経胎盤感染とは
病原体が胎盤を通って母親から胎児へうつること。出産のときに産道でうつる産道感染とは区別する。
- 1
水痘不正解
水痘の胎内感染は先天性水痘症候群を起こしうるが、難聴が主徴ではない。
- 2
風疹正解
妊娠初期の風疹感染は先天性風疹症候群を起こし、難聴の頻度が高い。
- 3
麻疹不正解
麻疹は児の難聴を高率に生じる疾患ではない。
- 4
流行性耳下腺炎不正解
流行性耳下腺炎は後天性の難聴の原因になりうるが、本問の胎内感染による難聴の設定には当たらない。
📚 これとセットで理解しよう
妊娠中の感染は、病原体ごとに児へ出る症状が決まっている。頭文字を並べたTORCH症候群の順にたどると、どの病原体で何が起こるかを取り違えずにすむ。
- トキソプラズマ(T)=水頭症・脈絡網膜炎・脳内石灰化。生肉やネコの糞便が感染源。
- その他(O)=梅毒・B型肝炎・パルボウイルスB19など。
- 風疹(R)=難聴・白内障・先天性心疾患(先天性風疹症候群)。
- サイトメガロウイルス(C)=難聴・小頭症・肝脾腫。
- 単純ヘルペスウイルス(H)=主に産道感染による新生児ヘルペス。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について