第110回 看護師国家試験 午後 問42 解説
📝 問題
脳梗塞による右片麻痺がある成人患者に用いる日常生活動作〈ADL〉の評価として適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ ADLの評価にはBarthelインデックスを用いる。
Barthel(バーセル)インデックスは、食事・移乗・整容・排泄・入浴・移動・階段昇降・更衣など基本的な日常生活動作(ADL)を点数化して評価する代表的なADL評価尺度である。脳梗塞後の片麻痺患者のADL評価に適している。
NYHA分類は心不全の重症度(自覚症状)分類、Borgスケールは運動時の主観的運動強度(息切れ・疲労感)の評価、主観的包括的アセスメント(SGA)は栄養状態の評価であり、いずれもADLそのものの評価尺度ではない。
SGA〈エスジーエー〉とは
主観的包括的アセスメント。体重の変化・食事量・皮下脂肪や筋肉の減り具合を問診と観察で調べ、栄養状態を判定する。
Borgスケールとは
運動中のきつさを本人が「楽である」から「非常にきつい」までで答える尺度。心臓リハビリテーションで運動量の目安に使う。
- 1
NYHA分類不正解
NYHA分類は心不全の重症度分類でADL評価ではない。
- 2
Borg〈ボルグ〉スケール不正解
Borgスケールは主観的運動強度の評価。
- 3
Barthel〈バーセル〉インデックス正解
Barthelインデックスは基本的ADLを点数化する評価尺度。
- 4
主観的包括的アセスメント〈subjective global assessment〉不正解
SGAは栄養状態のアセスメント。
📚 混同しやすいので注意
評価スケールは名前の似たものが多く、何を測る尺度かを取り違えやすい。下の表は名前と対象の対応をまとめてあるので、行ごと目を通しておきたい。 日常生活動作〈ADL〉は食事・排泄・移動など生活の基本動作、手段的日常生活動作〈IADL〉は買い物・調理・金銭管理・服薬管理など、より複雑で社会生活に必要な動作を指す。
| スケール | 評価するもの |
|---|---|
| Barthel(バーセル)インデックス/機能的自立度評価法〈FIM〉 | 基本的日常生活動作〈ADL〉。FIMは介助量も評価する |
| 老研式活動能力指標/Lawton(ロートン)の尺度 | 手段的日常生活動作〈IADL〉 |
| NYHA分類 | 心不全の重症度(自覚症状) |
| Hugh-Jones(ヒュー・ジョーンズ)分類/修正MRC息切れスケール | 呼吸困難の程度 |
| Borg(ボルグ)スケール | 主観的運動強度(自覚的な運動のつらさ) |
| 主観的包括的アセスメント〈SGA〉 | 栄養状態 |
| 改訂長谷川式簡易知能評価スケール〈HDS-R〉/ミニメンタルステート検査〈MMSE〉 | 認知機能 |
| Japan Coma Scale(ジャパン・コーマ・スケール)〈JCS〉/Glasgow Coma Scale(グラスゴー・コーマ・スケール)〈GCS〉 | 意識レベル |
| ブレーデンスケール | 褥瘡の発生リスク |
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について