第110回 看護師国家試験 午後 問17 解説
📝 問題
経口投与後の薬物が初回通過効果を受ける場所はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 初回通過効果を受ける場所は肝臓である。
経口投与された薬物は消化管で吸収された後、門脈を経て肝臓に運ばれ、全身循環に入る前に肝臓で代謝を受ける。これを初回通過効果といい、薬物が肝臓を通過する際に代謝されて有効量が減少する現象である。
初回通過効果が大きい薬物は経口では効果が減弱するため、舌下・直腸・静脈内などの投与経路が選択されることがある。
門脈とは
胃や腸で吸収したものを肝臓へ運ぶ静脈。心臓へ戻る前にいったん肝臓を通るのが、ほかの静脈と違う点。
- 1
胃不正解
胃は吸収の一部を担うが、初回通過効果の主たる代謝の場ではない。
- 2
肝臓正解
門脈を経て運ばれた薬物は肝臓で初回通過効果による代謝を受ける。
- 3
小腸不正解
小腸は主要な吸収部位だが、初回通過効果の中心的な代謝臓器ではない。
- 4
腎臓不正解
腎臓は主に薬物の排泄を担い、初回通過効果の場ではない。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
薬は体に入ってから出ていくまでの道すじが決まっている。ADME(吸収(Absorption)・分布(Distribution)・代謝(Metabolism)・排泄(Excretion))の4段階に当てはめると、どこで何が起こるかが見えてくる。
- 代謝の主役は肝臓(チトクロムP450)、排泄の主役は腎臓。
- 初回通過効果を受けない投与経路=舌下・直腸(坐薬)・静脈内・経皮・吸入。ニトログリセリンを舌下投与するのはこのため。
- 肝機能・腎機能が低下した患者では血中濃度が上がりやすく、減量や投与間隔の延長が必要になる。
- 初回通過効果が大きい薬物は、経口では生物学的利用能(バイオアベイラビリティ)が低くなる。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について