第110回 看護師国家試験 午後 問16 解説
📝 問題
ループ利尿薬について正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ ループ利尿薬は作用発現が速い。
ループ利尿薬(フロセミドなど)はヘンレのループ上行脚に作用し、強力かつ速やかに利尿をもたらす。静脈内投与では数分で、経口でも比較的速やかに作用が発現するため、急性心不全や肺水腫などにも用いられる。
利尿薬は夜間頻尿を避けるため通常は日中(朝)に服用し、眠前は望ましくない。抗不整脈薬でもない。 また副作用は低カリウム血症であり(カリウムの尿中排泄が増えるため)、高カリウム血症ではない点に注意する。
ヘンレのループ上行脚とは
腎臓で尿がつくられる管のうち、Uの字に折り返して上っていく部分。ここでナトリウムがさかんに再吸収される。
- 1
作用発現が速い。正解
ループ利尿薬は作用発現が速く、強力な利尿効果を示す。
- 2
眠前の服用が望ましい。不正解
夜間頻尿を避けるため日中に服用するのが望ましく、眠前は不適切である。
- 3
抗不整脈薬として用いられる。不正解
ループ利尿薬は抗不整脈薬として用いられるものではない。
- 4
副作用〈有害事象〉に高カリウム血症がある。不正解
副作用は低カリウム血症であり、高カリウム血症ではない。
📚 混同しやすいので注意
利尿薬は作用部位と副作用の電解質異常を入れ替えて問われる。「カリウム保持性だけが高カリウム血症、ほかは低カリウム血症」と覚えよう。 利尿薬の使用中は血清カリウム値・体重・尿量・血圧をみるのが看護のポイント。 低カリウム血症はジギタリス中毒を助長する。
| 分類 | 代表薬 | 作用部位 | 主な電解質異常 |
|---|---|---|---|
| ループ利尿薬 | フロセミド | ヘンレのループ上行脚 | 低カリウム血症・低ナトリウム血症・脱水・聴覚障害 |
| サイアザイド系利尿薬 | トリクロルメチアジド | 遠位尿細管 | 低カリウム血症・高尿酸血症・高血糖 |
| カリウム保持性利尿薬 | スピロノラクトン | 集合管(アルドステロン拮抗) | 高カリウム血症・女性化乳房 |
| 浸透圧利尿薬 | D-マンニトール | 糸球体で濾過され再吸収されない | 脱水・電解質異常(頭蓋内圧の降下に使用) |
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について