第110回 看護師国家試験 午前 問43 解説
📝 問題
Cushing〈クッシング〉症候群の成人女性患者にみられるのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ クッシング症候群では月経異常がみられる。
クッシング症候群は副腎皮質からのコルチゾール(糖質コルチコイド)過剰により生じる。過剰なコルチゾールは性腺機能に影響を及ぼし、女性では月経異常(無月経・希発月経)や多毛などがみられる。
特徴的な症状として、中心性肥満、満月様顔貌、水牛様肩、皮膚の菲薄化と赤紫色の皮膚線条、高血圧、耐糖能異常(高血糖)、骨粗鬆症などがある。
他の選択肢はクッシング症候群では起こりにくい。コルチゾールは食欲を高め脂肪を再分布させるため、体重はむしろ増加傾向で、体重減少はみられない。 血液は多血の傾向となり、貧血は典型症状ではない。 肝機能の低下も本症の特徴ではなく、影響が出るのは糖・脂質・蛋白・骨の代謝である。
国試では中心性肥満・満月様顔貌・皮膚線条・月経異常など、クッシング症候群の身体所見が繰り返し問われる。
コルチゾールとは
副腎から出るホルモン。血糖を上げ、炎症を抑え、ストレスに体を耐えさせる。朝に多く、夜に少なくなる。
中心性肥満とは
手足は細いままなのに、腹部や顔・首のうしろにだけ脂肪がつく太り方。
- 1
貧血不正解
貧血はクッシング症候群の典型症状ではなく、むしろ多血傾向を示すことがある。
- 2
月経異常正解
コルチゾール過剰により性腺機能が抑制され、女性では月経異常がみられる。
- 3
体重減少不正解
食欲亢進と脂肪再分布により体重は増加傾向で、体重減少はみられない。
- 4
肝機能低下不正解
肝機能低下は本症の特徴的症状ではない。
📚 混同しやすいので注意
コルチゾールが多すぎるクッシング症候群と、足りないアジソン病は、症状を入れ替えて問われる。表を左右に見比べ、反対向きで覚えよう。 クッシング症候群の原因には、下垂体腺腫によるACTH過剰(クッシング病)、副腎腫瘍、ステロイド薬の長期投与(医原性)がある。
| クッシング症候群 | アジソン病 | |
|---|---|---|
| 病態 | コルチゾール過剰 | コルチゾール不足 |
| 体型・皮膚 | 中心性肥満、満月様顔貌、水牛様肩、赤紫色の皮膚線条、皮膚の菲薄化 | 体重減少、皮膚・粘膜の色素沈着 |
| 血圧・血糖 | 高血圧、高血糖 | 低血圧、低血糖 |
| 電解質 | 低カリウム血症 | 低ナトリウム血症、高カリウム血症 |
| その他 | 骨粗鬆症、易感染性、月経異常、多毛、精神症状 | 全身倦怠感、食欲不振、副腎クリーゼ |
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について