第109回 看護師国家試験 午前 問87 解説
📝 問題
アルコール依存症の一次予防はどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・4
💡 解説
✅ アルコール依存症の一次予防は年齢確認による入手経路の制限と小学生への健康教育である。
一次予防とは、疾病の発生そのものを未然に防ぐ健康増進・発生予防の取り組みである。 アルコール依存症では、未成年者への販売防止(年齢確認による入手経路の制限)と、飲酒を始める前の子ども(小学生)への健康教育がこれにあたる。
スクリーニングテストの実施は、問題を早く見つける二次予防である。 精神科デイケアや患者会(自助グループ)への参加は、すでに発症した人の再発防止・社会復帰を図る三次予防にあたる。
- 1
年齢確認による入手経路の制限正解
年齢確認による入手制限は、未成年が飲酒を始めること自体を防ぐ一次予防である。
- 2
スクリーニングテストの実施不正解
スクリーニングテストは問題の早期発見であり二次予防に該当する。
- 3
精神科デイケアへの参加不正解
精神科デイケアへの参加は発症後の再発防止で三次予防に該当する。
- 4
小学生への健康教育正解
小学生への健康教育は、飲酒を始める前に行う発生予防で一次予防にあたる。
- 5
患者会への参加不正解
患者会への参加は発症後の社会復帰支援で三次予防に該当する。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
予防の段階は、取り組みの内容ではなく対象者がどの段階にいるかで見分ける。 まだ発症していなければ一次、発症しているが気づいていなければ二次、すでに治療を受けていれば三次である。
- アルコール依存症のスクリーニングにはAUDIT・CAGE・KASTが用いられる(=二次予防)。
- 断酒を支える自助グループに断酒会・AA(アルコホーリクス・アノニマス)があり、家族の会にアラノンがある。
- 離脱症状は断酒後数時間〜数日に出現し、手指振戦・発汗・不眠から、重症では振戦せん妄やけいれん発作に至る。
- アルコール健康障害対策基本法(2013年)に基づき、国と都道府県が推進計画を策定している。
| 段階 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 一次予防 | 健康増進・発生予防 | 未成年者への販売防止(年齢確認)、学校での飲酒防止教育、適正飲酒の啓発 |
| 二次予防 | 早期発見・早期治療 | AUDIT等のスクリーニング、健診での肝機能異常への対応 |
| 三次予防 | 再発防止・リハビリテーション | 断酒会・AAなどの自助グループ、精神科デイケア、就労支援 |
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について