第109回 看護師国家試験 午前 問69 解説
📝 問題
A さん(68歳、男性)は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のため在宅療養中で、気管切開下で人工呼吸器を使用し、要介護5の認定を受けている。 A さんに提供される訪問看護で適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 筋萎縮性側索硬化症で気管切開下人工呼吸を行うAさんの訪問看護は、医療保険から給付される。
訪問看護は原則として介護保険が優先されるが、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合は、要介護認定の有無にかかわらず医療保険から給付される。 筋萎縮性側索硬化症(ALS)はこれに含まれるため、Aさんの訪問看護は医療保険から給付される。
厚生労働大臣が定める疾病等に該当する人は、複数の訪問看護事業所の利用や1日複数回・週4日以上の訪問など、手厚い訪問看護を受けられる。 特別訪問看護指示書は急性増悪時などに一時的に交付されるもので、恒常的な給付の根拠ではない。 訪問看護では、理学療法士等によるリハビリテーション目的の訪問も給付の対象となる。 国試では、どの場合に医療保険から給付されるかが繰り返し問われている。
- 1
医療保険から給付される。正解
筋萎縮性側索硬化症は厚生労働大臣が定める疾病等に該当し、要介護認定があっても訪問看護は医療保険から給付される。
- 2
特別訪問看護指示書を受けて実施される。不正解
特別訪問看護指示書は急性増悪時等の一時的なもので、恒常的給付の根拠ではない。
- 3
複数の訪問看護事業所の利用はできない。不正解
厚生労働大臣が定める疾病等に該当する人は、複数の訪問看護事業所を利用できる。
- 4
理学療法士による訪問は給付が認められない。不正解
理学療法士等によるリハビリ目的の訪問も訪問看護として給付される。
📚 混同しやすいので注意
訪問看護は「介護保険が優先」が大原則だが、厚生労働大臣が定める疾病等・特別訪問看護指示書の期間・精神科訪問看護などは例外的に医療保険から給付される。 どちらの保険から給付されるかを見分ける問題は頻出。
- 厚生労働大臣が定める疾病等には、筋萎縮性側索硬化症・多発性硬化症・脊髄小脳変性症・パーキンソン病関連疾患(ヤール3度以上かつ生活機能障害度Ⅱ度以上)・後天性免疫不全症候群・人工呼吸器を使用している状態などが含まれる。
- 特別訪問看護指示書は急性増悪時などに交付され、原則として月1回・14日間まで(気管カニューレ装着中や真皮を越える褥瘡がある場合は月2回まで)。
- 訪問看護では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による訪問も「訪問看護」として給付される。
| 条件 | 適用される保険 |
|---|---|
| 要介護・要支援の認定を受けている | 原則として介護保険 |
| 厚生労働大臣が定める疾病等に該当 | 要介護認定があっても医療保険 |
| 特別訪問看護指示書が交付された期間 | 医療保険 |
| 精神科訪問看護(認知症を除く) | 医療保険 |
| 40歳未満、または要介護認定を受けていない | 医療保険 |
参考: 健康保険法/厚生労働大臣が定める疾病等(別表第7)
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について