第109回 看護師国家試験 午前 問61 解説
📝 問題
妊娠37週の妊婦の胎児心拍数陣痛図の所見で正常なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 胎児心拍数基線が110〜160 bpmであるのは正常である。
胎児心拍数陣痛図(CTG)の判読では、まず基線を確認する。 正常な胎児心拍数基線は110〜160 bpmの範囲で、これを外れると160 bpm超が頻脈、110 bpm未満が徐脈となる。
CTGで胎児が元気だと判断できるのは、次の4点がそろったときである。 ・基線が110〜160 bpm ・基線細変動が中等度(6〜25 bpm)に認められる ・一過性頻脈を認める ・遅発一過性徐脈・変動一過性徐脈などの異常な一過性徐脈を認めない
細変動の消失や一過性頻脈の欠如、一過性徐脈の出現は胎児機能不全を疑う所見である。 国試ではこの正常・異常パターンの区別が繰り返し問われている。
基線細変動とは
胎児心拍数が小刻みに上下する揺れのこと。胎児の脳と自律神経が働いているしるしで、揺れが平坦になるのは危険なサインになる。
- 1
胎児心拍数基線が110〜160 bpmである。正解
胎児心拍数基線110〜160 bpmは正常範囲である。
- 2
胎児心拍数基線細変動を認めない。不正解
細変動の消失は胎児の低酸素・アシドーシスを疑う異常所見である。
- 3
一過性頻脈を認めない。不正解
一過性頻脈は胎児の健常性を示す所見で、認めないことは正常とはいえない。
- 4
一過性徐脈を認める。不正解
一過性徐脈(特に遅発・高度変動)は胎児機能不全を疑う異常所見である。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
胎児心拍数陣痛図(CTG)は「基線」「基線細変動」「一過性頻脈」「一過性徐脈」の4項目を順に読む。 前3つはあって正常、一過性徐脈だけは種類によって異常という向きの違いを押さえる。
- 胎児心拍数基線:正常は110〜160 bpm。160 bpm超が頻脈、110 bpm未満が徐脈。
- 基線細変動:正常(中等度)は6〜25 bpm。細変動の消失は胎児の低酸素・アシドーシスを疑う最も重要な所見。
- 一過性頻脈:胎児の健常性を示す所見。妊娠32週以降では15 bpm以上・15秒以上の上昇が目安(32週未満は10 bpm以上・10秒以上)。
- ノンストレステスト(NST)は、一定時間内に一過性頻脈が認められれば正常(リアクティブ)と判定する。
| 種類 | 子宮収縮との関係 | 主な機序 |
|---|---|---|
| 早発一過性徐脈 | 収縮に一致して下降・回復 | 児頭圧迫による迷走神経反射(生理的) |
| 遅発一過性徐脈 | 収縮の頂点より遅れて下降・回復 | 子宮胎盤循環不全(胎児低酸素) |
| 変動一過性徐脈 | 収縮と無関係に急速に下降 | 臍帯圧迫 |
| 遷延一過性徐脈 | 2分以上10分未満持続 | 臍帯脱出・過強陣痛・常位胎盤早期剝離など |
遅発・高度変動・遷延一過性徐脈は胎児機能不全を疑い、体位変換・酸素投与・輸液・子宮収縮薬の中止などの子宮内蘇生を行う。
参考: 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン 産科編」
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について