第108回 看護師国家試験 午後 問41 解説
📝 問題
Aさん(48歳、男性)は、仕事中に生じた胸部と右肩の違和感を主訴に来院した。バイタルサインは安定しているが、スタンフォード分類B型の急性大動脈解離と診断され、医師から手術を勧められた。 治療の選択で迷っている様子のAさんへの対応で適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 治療の選択で迷うAさんへの対応として適切なのは「医師からの説明で不明な点はあるかを尋ねる」ことである。
スタンフォードB型の急性大動脈解離で、バイタルサインは安定している。Aさんは手術を受けるかどうかで迷っている。 この場面で看護師に求められるのは、患者が十分な情報のもとで自己決定できるように支えることである。 医師の説明でわからなかったところを確認し、理解を助け、思いを話せるように関わる対応が最も適切である。こうした関わりを意思決定支援という。
他の選択肢はいずれも患者の自己決定をさまたげる。「すぐに決めたほうがよい」は決定を急かし、「医師の判断に任せるのが一番」は決めること自体を手放させ、「話はあとに」は気持ちを話す機会を奪う。 バイタルサインは安定しているので、話を聞く時間をとることができる。 患者の側に立って権利を守るアドボカシー(権利擁護)の視点から、傾聴と情報整理を通じて患者自身の選択を支える関わりが問われている。
- 1
「医師からの治療のリスクや合併症の説明で、不明な点はありますか」正解
不明点を確認して理解を助け、患者の自己決定を支援する適切な対応である。
- 2
「手術を受けるか受けないか、すぐに決めたほうがよいです」不正解
決定を急かす対応であり、患者に不要な圧力をかけ自己決定を妨げる。
- 3
「医師の判断に任せるのが一番よいと思います」不正解
医師任せを勧める対応で、患者の自己決定権を放棄させることになり不適切である。
- 4
「緊急度が高いので、話はあとにしましょう」不正解
バイタルサインは安定しており、話を退けて気持ちを軽く扱う対応は不適切である。
📚 関連知識
| 分類 | 解離の範囲 | 治療の原則 |
|---|---|---|
| A型 | 上行大動脈に解離が及ぶ | 心タンポナーデや大動脈弁閉鎖不全を起こしうるため、原則として緊急手術 |
| B型 | 上行大動脈に及ばない(下行大動脈) | 合併症がなければ、降圧と安静による保存的治療が原則 |
突然の激しい胸背部痛、血圧の左右差が特徴。急性期は厳格な血圧・心拍数管理と安静、疼痛管理が看護の要点となる。
参考: 系統看護学講座 成人看護学 循環器/看護倫理 意思決定支援
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について