第108回 看護師国家試験 午後 問28 解説

一般成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

開心術後の心タンポナーデで正しいのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 開心術後の心タンポナーデでは中心静脈圧が上昇する。

心タンポナーデは、心膜腔に血液や液体がたまって心臓が外から圧迫され、拡張できなくなる状態である。開心術後には心膜腔への出血で起こりうる。 心室に血液を満たせないため心拍出量が下がり、心臓へ戻れなくなった血液が静脈にうっ滞して中心静脈圧(CVP)が上昇する。 血圧低下・頻脈・弱く遠い心音がみられる。

他の3つは実際とは逆である。低下した心拍出量を補うために脈は速くなり、たまった液体にさえぎられて心音は減弱する。 術後に急な血圧低下と中心静脈圧の上昇をみたら、タンポナーデを疑う。

CVP〈シーブイピー〉とは

中心静脈圧のこと。右心房の近くの太い静脈にかかる圧で、心臓へ戻ってくる血液の量と右心のはたらきぐあいを映す。

  • 1

    徐脈不正解

    タンポナーデでは代償性に頻脈となり、徐脈は誤りである。

  • 2

    心音増強不正解

    心膜液貯留により心音は減弱・遠くなり、増強は誤りである。

  • 3

    心拍出量の増加不正解

    心室充満障害で心拍出量は低下するため、増加は誤りである。

  • 4

    中心静脈圧の上昇正解

    静脈還流がうっ滞するため、中心静脈圧が上昇する。

📚 丸暗記より仕組みで覚えよう

心タンポナーデは、心臓が外から押されて拡がれなくなる病態。 手前の静脈は圧が上がり、先の動脈は圧が下がる、と向きで覚えよう。

  • Beck(ベック)の三徴=血圧低下・頸静脈怒張(中心静脈圧の上昇)・心音減弱
  • 吸気時に収縮期血圧が10mmHg以上低下する奇脈がみられる
  • 開心術後は、心嚢ドレーンの排液が急に減った直後の血圧低下でタンポナーデを疑う(ドレーンの閉塞)
  • 治療は心嚢穿刺・心嚢ドレナージで貯留液を抜き、圧迫を解除する

参考: 成人看護学(循環器)テキスト

出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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