第108回 看護師国家試験 午後 問16 解説
📝 問題
緑内障患者への投与が禁忌なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 緑内障患者への投与が禁忌なのはアトロピンである。
アトロピンは抗コリン薬(副交感神経遮断薬)で、瞳孔散大(散瞳)と毛様体筋の弛緩を起こす。 閉塞隅角緑内障では散瞳により隅角がふさがり、房水の流出が妨げられて眼圧が急上昇するため、抗コリン作用をもつ薬は禁忌となる。
他の3つは、緑内障を悪化させる抗コリン作用をもつ代表薬ではない。 コデインは鎮咳・鎮痛薬、アスピリンは解熱鎮痛・抗血小板薬、フェニトインは抗てんかん薬である。
閉塞隅角緑内障とは
眼の中を満たす水(房水)の出口である隅角がふさがるタイプの緑内障。瞳が開くと出口がさらに狭くなり、眼圧が急に上がる。
- 1
コデイン不正解
コデインは鎮咳・鎮痛薬で、緑内障への禁忌の代表薬ではない。
- 2
アスピリン不正解
アスピリンは解熱鎮痛・抗血小板薬で、緑内障禁忌薬ではない。
- 3
アトロピン正解
アトロピンは抗コリン薬で、散瞳により眼圧を上げるため閉塞隅角緑内障に禁忌である。
- 4
フェニトイン不正解
フェニトインは抗てんかん薬で、緑内障禁忌の代表薬ではない。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
抗コリン薬は、副作用と禁忌をセットで問われる。 抗コリン作用を「乾く・止まる・広がる」と覚えると、副作用が芋づる式に出てくる。
- 主な副作用は口渇・便秘・尿閉・散瞳(眼圧上昇)・頻脈、高齢者ではせん妄や認知機能低下
- 禁忌は閉塞隅角緑内障・前立腺肥大による排尿障害・麻痺性イレウス
- 抗コリン作用をもつ薬は幅広い(抗ヒスタミン薬、三環系抗うつ薬、抗パーキンソン病薬、一部の抗精神病薬、過活動膀胱治療薬など)
- アトロピンは麻酔前投薬(気道分泌の抑制)や徐脈、有機リン中毒の治療にも用いる
参考: 今日の治療薬
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について