第108回 看護師国家試験 午前 問65 解説
📝 問題
女性を中心としたケア〈Women centered care〉の概念で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 女性を中心としたケアは、女性を全人的な存在としてとらえる視点を重視する。
女性を中心としたケア〈Women centered care〉は、女性一人ひとりを身体・心理・社会・文化の面を含めて全人的にとらえ、女性自身の主体性・自己決定を尊重してケアを組み立てる考え方である。
他の3つは、この考え方の一部だけを取り出したり、対象を狭めたりしている。 父権主義(パターナリズム)を否定する面はあるが、否定そのものよりも女性の主体性を中心に置く点が大切である。 対象は周産期に限らず、女性のライフサイクル全体に及ぶ。 女性特有の疾患をもつ人だけでなく、健康な女性も対象に含む。
パターナリズムとは
医療者が「本人のためだ」と考えて、本人に代わって方針を決めてしまう関わり方。父権主義とも訳される。
- 1
父権主義を否定している。不正解
父権主義を否定する側面はあるが、概念の中心は女性の主体性を尊重することであり、最も適切な記述ではない。
- 2
周産期にある女性を対象とする。不正解
対象は女性のライフサイクル全体であり、周産期の女性に限定されない。
- 3
全人的な女性という視点を重視する。正解
女性を身体・心理・社会・文化を含めた全人的存在としてとらえる視点を重視する考え方である。
- 4
女性特有の疾患に関する看護を行う。不正解
女性特有の疾患看護に限定する概念ではなく、健康な女性を含む全人的ケアである。
📚 ここも一緒におさえておこう
母性看護の理念は、女性の主体性と自己決定を支える方向で発展してきた。 言葉を入れ替えて問われるので、名前と中身を対にして覚えよう。
- リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)は、1994年のカイロ国際人口・開発会議で提唱された
- ウィメンズヘルスは、思春期から老年期まで女性のライフサイクル全体の健康を支える考え方
- インフォームド・コンセントは、十分な説明を受けたうえで本人が同意すること
- インフォームド・チョイスは、示された方法のなかから本人が選ぶこと
参考: 母性看護学の理論・概念に関する標準的教科書
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について