第108回 看護師国家試験 午前 問25 解説
📝 問題
副腎皮質ステロイドの作用はどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 副腎皮質ステロイドの作用は、炎症の抑制である。
副腎皮質ステロイド(糖質コルチコイド)は、強力な抗炎症作用・免疫抑制作用をもつ。主な作用は炎症の抑制である。
一方で、糖新生の亢進による血糖上昇、ナトリウム貯留による血圧上昇、体重増加(食欲亢進・脂肪の再分布)、免疫の抑制などの副作用が出る。 他の4つ(体重減少・血糖低下・血圧低下・免疫促進)は、いずれもステロイドの作用と逆である。
「炎症を抑える一方で、血糖・血圧を上げ、免疫を抑える」という向きを押さえれば、逆向きの選択肢を外せる。
糖新生とは
肝臓などが、糖以外の材料からブドウ糖を作り出すはたらき。血糖を上げる方向に働く。
- 1
体重の減少不正解
ステロイドは食欲亢進や脂肪再分布で体重を増加させることが多く、減少はさせない。
- 2
血糖の低下不正解
ステロイドは糖新生を促進し血糖を上昇させるため、血糖低下は逆である。
- 3
血圧の低下不正解
ステロイドはナトリウム貯留などで血圧を上昇させるため、血圧低下は逆である。
- 4
免疫の促進不正解
ステロイドは免疫を抑制するため、免疫の促進は逆である。
- 5
炎症の抑制正解
副腎皮質ステロイドは強力な抗炎症作用を持ち、炎症を抑制するのが主作用である。
📚 ここも一緒におさえておこう
副腎皮質ステロイドの副作用は、投与量と投与期間で決まる。 長期に使うと、医原性クッシング症候群の徴候が現れる。
- 長期投与を自己判断で中止しない(急な中断は副腎不全を招く)。
- 生体では分泌が朝に多いため、朝1回または朝を多くした分割投与が基本である。
- 感染徴候がマスクされるため、発熱が乏しくても感染を疑って観察する。
| 系統 | 主な副作用 |
|---|---|
| 代謝 | 高血糖(ステロイド糖尿病)、脂質異常、中心性肥満・満月様顔貌・野牛肩 |
| 循環・電解質 | ナトリウム貯留による浮腫・高血圧、低カリウム血症 |
| 骨・筋 | 骨粗鬆症、大腿骨頭壊死、ステロイドミオパチー |
| 消化器 | 消化性潰瘍 |
| 感染 | 易感染性、日和見感染、結核の再燃 |
| 精神・神経 | 不眠、多幸感、抑うつ、せん妄 |
| 眼 | 白内障、緑内障 |
参考: 標準的な薬理学教科書(副腎皮質ステロイド)
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について