第108回 看護師国家試験 午前 問12 解説
📝 問題
胆汁の作用はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 胆汁の作用は脂肪の乳化である。
胆汁は肝臓で作られ、胆嚢で濃縮されてから十二指腸に出される。胆汁に含まれる胆汁酸が、大きな脂肪のかたまりを細かい粒に散らばらせる。これが乳化である。 細かくなると脂肪の表面積が広がり、膵リパーゼが分解しやすくなる。
胆汁そのものには消化酵素が含まれないので、蛋白質や炭水化物を直接分解する働きはない。 他の3つは別の消化液の働きである。殺菌は胃酸、蛋白質の分解はトリプシンなどの酵素、炭水化物の分解はアミラーゼの仕事である。
- 1
殺菌不正解
殺菌作用を主に担うのは胃酸であり、胆汁の主作用ではない。
- 2
脂肪の乳化正解
胆汁酸は脂肪を乳化し、膵リパーゼによる脂肪の消化吸収を助ける。
- 3
蛋白質の分解不正解
蛋白質の分解は膵液のトリプシンなどの酵素が担い、胆汁の作用ではない。
- 4
炭水化物の分解不正解
炭水化物の分解はアミラーゼが担い、胆汁の作用ではない。
📚 国試でよく狙われるところ
「胆汁には消化酵素が含まれない」は毎回のようにひっかけで出るので覚えておこう。 消化液は「どこから出て、何を分解するか」を組にして整理しておくと迷わない。
- 胆汁色素のビリルビンは便の色のもとで、胆道が閉塞すると灰白色便と黄疸をきたす。
- 胆汁は脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収を助ける。
| 消化液 | 主な成分・酵素 | 作用 |
|---|---|---|
| 唾液 | 唾液アミラーゼ(プチアリン) | デンプンを麦芽糖へ分解 |
| 胃液 | ペプシン、塩酸 | 蛋白質の分解、殺菌 |
| 膵液 | トリプシン、キモトリプシン | 蛋白質の分解 |
| 膵液 | 膵アミラーゼ | 糖質の分解 |
| 膵液 | 膵リパーゼ | 脂肪を脂肪酸とモノグリセリドへ分解 |
| 胆汁 | 胆汁酸(消化酵素は含まない) | 脂肪の乳化、脂溶性ビタミンの吸収を助ける |
| 腸液 | マルターゼ、ラクターゼ、スクラーゼ | 二糖類の分解 |
参考: 標準的な解剖生理学教科書(消化・吸収)
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について