第107回 看護師国家試験 午後 問92 解説
📝 問題
次の文を読み91〜93の問いに答えよ。 A さん(62歳、男性)。1人暮らし。特発性肺線維症による間質性肺炎と診断され入院した。BMI 17.6。体温38.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、SpO2 91%。吸気終末時に捻髪音あり。ばち状指を認める。動脈血液ガス分析で、pH 7.35、PaCO2 38Torr、PaO2 56Torr。 A さんは入院後に呼吸機能検査を受けることになった。換気障害の分類を図に示す。 A さんの呼吸機能検査の結果で考えられるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 特発性肺線維症は肺が膨らみにくくなる疾患で、%肺活量が低下し1秒率は保たれる拘束性換気障害を示す。
換気障害は、横軸に%肺活量(%VC)、縦軸に1秒率をとって分類する。 拘束性障害は%肺活量80%未満・1秒率70%以上、閉塞性障害は%肺活量80%以上・1秒率70%未満で、混合性障害は両方が低下する。 特発性肺線維症では肺が線維化して硬くなり、十分に膨らまない。 そのため肺活量が減って%肺活量が下がる一方、気道は狭くならないので1秒率は保たれる。 Aさんの呼吸機能検査は、この拘束性換気障害のパターンを示す。
他の3つの区分は、%肺活量が下がり1秒率は保たれるという拘束性のパターンから外れるため、Aさんの結果とは合わない。
- 1
A正解
特発性肺線維症では肺が硬くなって膨らみにくく、%肺活量が下がる一方で1秒率は保たれる。この拘束性換気障害の区分が当てはまる。
- 2
B不正解
この区分は、%肺活量が下がり1秒率は保たれるという拘束性のパターンに当てはまらない。
- 3
C不正解
この区分も、%肺活量が下がり1秒率は保たれるという拘束性のパターンに当てはまらない。
- 4
D不正解
この区分も同じく、%肺活量の低下と1秒率の保持という拘束性のパターンには当てはまらない。
📚 混同しやすいので注意
拘束性と閉塞性は、代表疾患を入れ替えて問われる。%肺活量(横軸)と1秒率(縦軸)の2軸、境界は80%と70%、とセットで覚えよう。
- 1秒率=1秒量÷努力性肺活量×100(実測値どうしの比)
- %肺活量=実測肺活量÷予測肺活量×100(年齢・性別・身長から予測値を算出)
- COPDの診断は気管支拡張薬吸入後の1秒率70%未満
| 型 | %肺活量 | 1秒率 | 代表疾患 |
|---|---|---|---|
| 正常 | 80%以上 | 70%以上 | — |
| 拘束性 | 80%未満 | 70%以上 | 間質性肺炎、肺線維症、胸郭変形、神経筋疾患 |
| 閉塞性 | 80%以上 | 70%未満 | COPD、気管支喘息、びまん性汎細気管支炎 |
| 混合性 | 80%未満 | 70%未満 | 進行したCOPD、陳旧性肺結核 |
参考: 日本呼吸器学会「呼吸機能検査ガイドライン」
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について