第107回 看護師国家試験 午後 問86 解説

一般成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

甲状腺ホルモンの分泌が亢進した状態の身体所見について正しいのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

3・5

💡 解説

✅ 甲状腺ホルモンの分泌が亢進すると、眼球突出と手指振戦がみられる。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)では、甲状腺ホルモンの過剰で全身の代謝が亢進する。 交感神経が高ぶった状態になり、頻脈・手指振戦・発汗増加・体重減少、易疲労、下痢傾向などが現れる。 バセドウ病ではさらに、特徴的な眼球突出(眼症状)がみられる。

他の選択肢は、いずれも甲状腺機能低下症の所見である。 徐脈・便秘・皮膚乾燥は代謝が落ちたときに現れるもので、亢進症では逆に頻脈・下痢傾向・発汗増加となる。

  • 1

    徐脈不正解

    徐脈は甲状腺機能低下症の所見である。亢進症では代謝が上がり頻脈となる。

  • 2

    便秘不正解

    便秘は甲状腺機能低下症の所見である。亢進症では腸管運動が亢進し下痢傾向となる。

  • 3

    眼球突出正解

    眼球突出はバセドウ病(甲状腺機能亢進症)に特徴的な眼症状である。

  • 4

    皮膚乾燥不正解

    皮膚乾燥は甲状腺機能低下症の所見である。亢進症では発汗が増え、皮膚は湿潤傾向となる。

  • 5

    手指振戦正解

    手指振戦は代謝の亢進と交感神経の緊張で起こる、亢進症の代表的な所見である。

📚 混同しやすいので注意

甲状腺機能の亢進と低下は、症状を入れ替えて問われる。代謝が上がるか下がるかで、すべてが裏返しになると覚えよう。

  • 亢進症ではTSHが低下し、遊離トリヨードサイロニン(FT3)・遊離サイロキシン(FT4)が上昇する
  • 低下症では逆に、TSHが上昇してFT3・FT4が低下する
甲状腺機能亢進症と低下症の比較
項目亢進症(バセドウ病など)低下症(橋本病・粘液水腫など)
脈拍頻脈・心房細動徐脈
体温・発汗暑がり・発汗増加寒がり・発汗減少
体重減少(食欲は亢進)増加
消化管下痢傾向便秘
皮膚湿潤・温かい乾燥・粗ぞう
精神・神経易興奮・不眠・手指振戦無気力・傾眠・動作緩慢
特徴的所見びまん性甲状腺腫・眼球突出粘液水腫・脱毛

バセドウ病の3徴(メルゼブルクの三徴)=甲状腺腫・眼球突出・頻脈。

参考: 系統看護学講座 成人看護学(内分泌・代謝疾患)/日本内分泌学会 資料

出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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