第107回 看護師国家試験 午前 問31 解説
📝 問題
排泄行動が自立している入院中の男性高齢者が、夜間の排尿について「夜は何度もトイレに行きたくなります。そのたびにトイレまで歩くのは疲れます」と訴えている。この患者の看護で適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 排泄が自立している高齢男性の夜間頻尿には、ベッドサイドで使える夜間の尿器の使用が適切である。
この患者は排泄行動が自立していて、困っているのは夜間にトイレまで歩く負担だけである。 自立度を下げずに移動の負担だけを減らせる、ベッドサイドの尿器が最も適切である。
他の選択肢は、いま自分でできていることを取り上げるか、別のリスクを生む。 おむつと膀胱留置カテーテルは自分で排泄する力を奪い、日常生活動作(ADL)の低下や尿路感染、自尊心の低下につながる。 就寝前の水分制限は、原因を確かめないまま行うと脱水や夜間の血栓のリスクを高める。
- 1
おむつの使用不正解
排泄が自立している患者におむつを使用させることは、残存能力を奪い自尊心を損なう。
- 2
夜間の尿器の使用正解
ベッドサイドの尿器なら自立した排泄を保ちつつ夜間の歩行負担のみを軽減でき、最も適切である。
- 3
就寝前の水分摂取の制限不正解
安易な水分制限は脱水や夜間の血栓症のリスクを高める。まず夜間頻尿の原因を確かめ、水分をとる時間帯の工夫から考える。
- 4
膀胱留置カテーテルの挿入不正解
膀胱留置カテーテルは尿路感染を招き、自分で排泄する力も失わせる。歩行の負担を減らすためだけに入れるものではない。
📚 国試でよく狙われるところ
排泄の援助は、「いま自分でできていることを奪わない」ことと「夜間の安全」の2つで正誤が決まる。方法を自立度の高い順に並べ、それぞれの危険とセットで覚えよう。 夜間頻尿の背景には夜間多尿・膀胱容量の減少・睡眠障害があり、高齢男性では前立腺肥大症、ほかに心不全、睡眠時無呼吸、利尿薬をのむ時間などが関わる。 原因に応じた対応が基本で、安易な水分制限は行わない。
- 排泄援助はトイレ→ポータブルトイレ→尿器→おむつの順に自立度が下がる。可能な限り自立度の高い方法を選ぶ。
- 夜間の転倒予防として足元灯・動線の確保・滑りにくい履物を整え、ベッド周囲を片づけておく。
- 膀胱留置カテーテルは尿路感染(カテーテル関連尿路感染)の最大の原因で、適応を厳密にし早期抜去を図る。
参考: 系統看護学講座 基礎看護技術
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について