第107回 看護師国家試験 午前 問15 解説
📝 問題
肝障害の指標となる血液生化学検査の項目はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 肝障害の指標となる血液生化学検査はALT(GPT)である。
ALT(GPT)は主に肝細胞に多く含まれる酵素で、肝細胞が障害されると血中に逸脱して上昇するため、肝障害の指標として用いられる。 AST(GOT)とともに肝機能検査(トランスアミナーゼ)の代表である。
国試では検査項目と対応臓器・病態の組合せが頻出。 CRPは炎症、尿素窒素(BUN)は腎機能・脱水、アミラーゼは膵臓・唾液腺の指標であり、いずれも肝障害の特異的指標ではない。 「肝=AST/ALT・ビリルビン・γ-GTP」「腎=BUN/クレアチニン」「膵=アミラーゼ/リパーゼ」とセットで整理する。
トランスアミナーゼとは
アミノ酸を作りかえる酵素のまとまり。AST(GOT)とALT(GPT)がこれにあたり、肝細胞が壊れると血液中に増える。
- 1
CRP不正解
CRPは炎症の指標であり、肝障害に特異的ではない。
- 2
尿素窒素不正解
尿素窒素は腎機能や脱水の指標である。
- 3
アミラーゼ不正解
アミラーゼは膵臓・唾液腺の障害を示す指標である。
- 4
ALT(GPT)正解
ALT(GPT)は肝細胞に多く含まれ、肝細胞が壊れると血中に漏れ出て上昇する。
📚 混同しやすいので注意
ASTとALTは、どちらが肝臓に近い検査かを入れ替えて問われる。含まれる臓器とセットで覚えよう。 肝細胞が壊れると細胞内の酵素が血中に漏れ出る(逸脱酵素)。 ALTは肝への特異性が高く、ASTは心筋・骨格筋・赤血球にも含まれるため、AST優位の上昇では肝以外の原因も考える。
| 検査項目 | 主に反映するもの |
|---|---|
| AST(GOT)・ALT(GPT) | 肝細胞の障害 |
| γ-GTP・ALP | 胆汁うっ滞、アルコール性肝障害 |
| 総ビリルビン | 黄疸(肝胆道疾患・溶血) |
| アルブミン・プロトロンビン時間 | 肝の合成能 |
| 尿素窒素(BUN)・クレアチニン | 腎機能(BUNは脱水・消化管出血でも上昇) |
| アミラーゼ・リパーゼ | 膵臓(アミラーゼは唾液腺でも上昇) |
| CK | 心筋・骨格筋の障害 |
| CRP | 炎症 |
| 血糖・HbA1c | 糖代謝 |
参考: 基礎看護学 臨床検査値の意義
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について