第107回 看護師国家試験 午前 問105 解説

状況設定母性看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み103〜105の問いに答えよ。在胎38週4日、骨盤位のため予定帝王切開術で出生した男児。日齢7。児の体重は2,930g(前日より30g増加)。バイタルサインは、腋窩温37.0℃、呼吸数50/分、心拍数140/分。大泉門は平坦。排尿7回/日、排便10回/日の普通便である。経皮的黄疸計による測定値12.5mg/dL。児の母親は母乳育児を希望している。母乳分泌量は良好で乳房トラブルはない。直接授乳を1日12回しており、搾乳や人工乳は哺乳していない。母親は看護師に「体重は生まれたときから30gしか増えていませんが、大丈夫でしょうか」と話した。 母親への対応で最も適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 生理的な経過の範囲内であり、このまま直接授乳を続けてよいと伝えるのが最も適切である。

日齢7で体重2,930g(前日より30g増加)と体重は増加に転じており、排尿7回・排便10回と哺乳・排泄も十分である。 経皮的黄疸計12.5mg/dLも正常範囲内で、バイタルサインも安定している。母乳の分泌は良好で乳房のトラブルもない。 新生児は生理的体重減少のあと出生体重に戻り、増加へ向かう。この経過は順調であり、母乳育児を希望する母親には、いまの直接授乳を続けてよいと伝えるのが適切である。

母乳育児の支援では「補足が必要かどうかを、児の哺乳・排泄・体重の推移から総合的に判断する」視点が重要である。 哺乳量の測定や搾乳・人工乳の追加は、発育不良や脱水など客観的な不足徴候があるときに検討する。 乳房を温めるのは分泌が悪いときの対応で、分泌が良好な本例には当てはまらない。 母親の不安には、経過が順調である根拠を示して安心を促す。

経皮的黄疸計とは

皮膚に光を当てて、採血せずに黄疸の強さを測る器械。値が高いときは血液検査で確かめる。

  • 1

    「乳房を温めましょう」不正解

    母乳分泌は良好で乳房トラブルもなく、乳房を温める必要がある状況ではない。

  • 2

    「哺乳量を測りましょう」不正解

    哺乳量測定は不足徴候があるときに検討するもので、発育・排泄が順調な本児では不要である。

  • 3

    「搾乳も追加であげましょう」不正解

    体重は増加に転じ排泄も十分で、搾乳の追加を要する不足徴候はない。

  • 4

    「このまま直接授乳を続けて良いですよ」正解

    体重増加・排泄・黄疸値いずれも順調で、母乳育児希望に沿い直接授乳を継続してよいと伝えるのが最も適切である。

📚 国試でよく狙われるところ

生後1週間の新生児は、体重・排泄・黄疸の経過と、母乳育児の進め方がまとめて問われる。日齢と数値をセットで覚えよう。

  • 生理的体重減少は出生体重の5〜10%で、生後3〜5日に最低となり、生後7〜10日ころに出生体重に戻る
  • その後の体重増加の目安は1日25〜30gである
  • 母乳が足りているかは、体重増加に加え1日6回以上の排尿、淡黄色の尿、活気と哺乳意欲で判断する
  • 生理的黄疸は生後2〜3日に出現し4〜5日ころピークとなり、7〜10日で軽快する。生後24時間以内に出現する黄疸や遷延する黄疸は病的黄疸を疑う
  • 母乳育児の確立には自律授乳(欲しがるときに欲しがるだけ)と早期からの頻回授乳が有効である

参考: 医療情報科学研究所編『母性看護学』/WHO/UNICEF「母乳育児成功のための10か条」

出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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