第106回 看護師国家試験 午後 問68 解説
📝 問題
チェーンソーの使用によって生じるのはどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ チェーンソーの使用によって生じるのはレイノー現象である。
チェーンソーや削岩機のように強く振動する工具を長く使うと、手や腕の血管・神経・骨関節が傷む振動障害が起こる。 その代表がレイノー現象で、寒さや振動をきっかけに手指の細い動脈が縮み、指が白くなって感覚が鈍る。白のあと紫、赤へと色が移り、しびれや痛みを伴う。指が白くなる見た目から白ろう病ともよばれる。
振動障害はほかに、しびれ・握力の低下・手指のこわばりとしても現れる。 予防は作業時間の制限と休憩、防振手袋の使用、そして手足と全身の保温である。
- 1
じん肺不正解
じん肺は粉じんを長く吸い込んで肺がかたくなる職業病で、鉱山・採石・金属研磨などの作業で起こる。
- 2
視力低下不正解
視力低下や目の疲れは、画面を見続ける情報機器作業で問題になる。
- 3
心筋梗塞不正解
心筋梗塞などの心臓の病気は、長時間労働や過重な負担が続いたときに労災として問題になる。振動そのもので起こるものではない。
- 4
肘関節の拘縮不正解
振動障害が出るのは主に手指と前腕で、症状はしびれ・握力の低下・関節の痛みである。肘関節が固まって動かなくなる形はとらない。
- 5
Raynaud〈レイノー〉現象正解
振動によって手指の血流が一時的に途絶え、指が白くなるレイノー現象が起こる。振動障害の代表的な症状である。
📚 国試でよく狙われるところ
職業病は「どの作業で何が起きるか」を入れ替えて問われる。作業・原因・症状の3つを1組で覚えよう。
| 作業・要因 | 健康障害 |
|---|---|
| チェーンソー・削岩機などの振動 | 振動障害(レイノー現象、しびれ、握力低下) |
| 粉じん(鉱山・採石・金属研磨) | じん肺 |
| 石綿(アスベスト) | 石綿肺、肺癌、中皮腫 |
| 有機溶剤(シンナーなど) | 頭痛、めまい、肝障害、造血障害 |
| 鉛 | 貧血、腹痛、末梢神経障害 |
| 騒音 | 騒音性難聴(高い音から聞こえにくくなる) |
参考: 厚生労働省「振動障害の予防対策」/産業保健・公衆衛生の標準的な教科書
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について