第106回 看護師国家試験 午後 問39 解説
📝 問題
脳出血の後遺症で左片麻痺と嚥下障害のある患者の家族に、食事介助の指導を行うときの説明で適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 麻痺のある左の脇の下をクッションで支え、姿勢を安定させてから食べてもらう。
左片麻痺の人を坐位にすると、体は麻痺のある左側へ傾き、首や体幹がねじれる。 姿勢が崩れると飲み込みの通り道もゆがみ、誤嚥しやすくなる。左の脇の下にクッションを入れて体幹を起こすと、正面を向いた坐位が保てる。 あごを軽く引いた姿勢(頸部前屈)にしてから始めることも忘れない。
他の選択肢は、食べ物の形、入れる側、誤嚥の見つけ方をとり違えている。 こんにゃくは噛み切りにくく口の中でまとまらない。食べ物を入れるのは感覚と動きが残っている右側で、むせない誤嚥もあるため、咳が出ないことは安全の証明にならない。
不顕性誤嚥とは
むせや咳が起こらないまま、食べ物や唾液が気道へ入ってしまうこと。高齢者や脳卒中のあとに多く、気づかないうちに肺炎につながる。
- 1
「食材にこんにゃくを入れると良いですよ」不正解
こんにゃくは弾力が強くて噛み切りにくく、口の中でばらける。嚥下障害のある人には、ゼリーやとろみをつけたものなど、まとまりやすい形が向く。
- 2
「体を起こしたら、左の脇の下をクッションで支えましょう」正解
麻痺側の脇の下を支えると体が左へ傾かず、正面を向いた安定した坐位が保てる。飲み込みの通り道がまっすぐになり、誤嚥を防げる。
- 3
「口の左側に食べ物を入れるようにしましょう」不正解
逆。食べ物は感覚と動きが残っている健側、この患者では右側に入れる。麻痺側に入れると口の中に食物が残り、あとで気道へ落ち込む。
- 4
「飲み込むときに咳が出なければ誤嚥の心配はありません」不正解
むせずに気道へ入る不顕性誤嚥がある。咳の有無だけでなく、食事中の声のかすれ、痰の増加、食後の発熱をあわせて見る。
📚 国試でよく狙われるところ
嚥下障害の食事介助は、食事の前・最中・あとで気をつける点を入れ替えて問われる。姿勢・食べ物の形・食後の確認を1組で覚えよう。
- 坐位がとれるならしっかり体を起こし、あごを引く。ベッド上ではギャッジアップしたうえで、首が後ろへ反らないよう枕で調整する
- 水やさらさらした汁物は流れが速く、いちばん誤嚥しやすい。とろみをつけて速さをゆるめる
- 食べたあとはしばらく坐位を保ち、口の中に食物が残っていないかを確かめる
参考: 系統看護学講座 成人看護学(脳・神経)/系統看護学講座 基礎看護技術
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について