第106回 看護師国家試験 午前 問89 解説

一般精神看護学✔ 監修済み

📝 問題

精神保健医療福祉に関する法律について正しいのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

1・5

💡 解説

✅ 自殺総合対策大綱は自殺対策基本法にもとづいて定められ、犯罪被害者等基本法は被害者の権利利益の保護を目的とする。

自殺対策基本法は、自殺を個人の問題ではなく社会全体で取り組む課題と位置づけた法律である。これにもとづいて国の指針である自殺総合対策大綱が定められ、おおむね5年ごとに見直される。現行のものは2022年(令和4年)に閣議決定された。 犯罪被害者等基本法は、犯罪の被害を受けた人とその家族の権利利益の保護を図ることを目的とし、相談・経済的支援・刑事手続への参加などを定めている。

他の選択肢は、対象や根拠となる法律が違う。障害者基本法が対象とするのは身体障害・知的障害・精神障害の3障害で、発達障害は精神障害に含まれ、難病による障害は「その他の心身の機能の障害」にあたる。発達障害者支援法がいう発達障害に統合失調症は入らず、こちらは精神保健福祉法などの枠組みで支えられる。精神通院医療の公費負担を定めているのは、精神保健福祉法ではなく障害者総合支援法である。

自立支援医療とは

障害のある人の医療費の自己負担を軽くする公費負担医療。精神通院医療・更生医療・育成医療の3つがある。

  • 1

    自殺対策基本法に基づき自殺総合対策大綱が策定されている。正解

    自殺対策基本法にもとづいて自殺総合対策大綱が定められ、国と自治体が進める取り組みの方向を示している。

  • 2

    障害者基本法の対象は身体障害と精神障害の2障害と規定されている。不正解

    障害者基本法の対象は、身体障害・知的障害・精神障害の3障害である。発達障害は精神障害に含まれ、難病による障害は「その他の心身の機能の障害」として対象に含まれる。

  • 3

    発達障害者支援法における発達障害の定義には統合失調症が含まれる。不正解

    発達障害者支援法の発達障害は、自閉スペクトラム症・学習障害・注意欠如多動症など、低年齢で現れる脳機能の障害を指す。統合失調症は含まれず、精神保健福祉法などの枠組みで支援される。

  • 4

    精神通院医療の公費負担は精神保健福祉法による自立支援医療で規定されている。不正解

    精神通院医療の公費負担は、障害者総合支援法にもとづく自立支援医療として行われる。自立支援医療にはほかに更生医療と育成医療がある。

  • 5

    犯罪被害者等基本法は犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目標としている。正解

    犯罪被害者等基本法は、犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的として定められている。

📚 国試でよく狙われるところ

精神保健に関わる法律は、制度の名前と根拠法を入れ替えて問われる。「どの法律に何が書いてあるか」を対にして覚えよう。 2024年4月施行の改正で、精神保健福祉法には医療保護入院の入院期間が定められ、精神科病院での虐待の通報が義務づけられた。

精神保健・障害福祉の主な法律と定めているもの
法律定めているもの
精神保健福祉法入院形態、精神保健指定医、行動制限、精神障害者保健福祉手帳
障害者総合支援法自立支援医療(精神通院医療・更生医療・育成医療)、障害福祉サービス
障害者基本法障害者施策の基本理念と3障害の定義
発達障害者支援法発達障害の定義、発達障害者支援センター
自殺対策基本法自殺総合対策大綱、自殺予防週間

参考: 厚生労働省「自殺総合対策大綱」/厚生労働省「精神保健福祉法の改正について」

出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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