第106回 看護師国家試験 午前 問84 解説
📝 問題
国際生活機能分類〈ICF〉の構成要素はどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・5
💡 解説
✅ 国際生活機能分類の構成要素にあたるのは、参加と心身機能・身体構造である。
国際生活機能分類(ICF)は、世界保健機関が2001年に採択した、人の暮らしぶりをとらえるための分類である。 中心にあるのが生活機能で、心身機能・身体構造(体のはたらきと体の部分)、活動(生活の中でする動作)、参加(社会での役割)の3つに分かれる。ここに背景因子として環境因子と個人因子が加わり、健康状態とあわせてたがいに影響し合うととらえる。
他の選択肢は、ICFの構成要素ではない。社会的不利は前身の国際障害分類(ICIDH)で使われた語で、機能・形態障害から能力障害、社会的不利へと一方向に進むとらえ方だった。休息と生活関連動作は日常生活を表す言葉ではあるが、ICFでは「活動」の中に含めて記述する。
- 1
参加正解
参加は生活機能の1つで、仕事・家事・地域活動など社会での役割を果たすことを指す。
- 2
休息不正解
休息はICFの構成要素ではない。睡眠のはたらきは心身機能(睡眠機能)に含まれる。
- 3
社会的不利不正解
社会的不利は前身のICIDHで使われた語である。ICFではこれを「参加」の制約という言い方に置き換えた。
- 4
生活関連動作不正解
生活関連動作は買い物や調理などの複雑な生活行為を指す言葉で、これも「活動」に含めてとらえる。
- 5
心身機能・構造正解
心身機能・身体構造は生活機能の1つで、体のはたらき(機能)と体の部分(構造)を指す。
📚 混同しやすいので注意
ICFは、前身のICIDHと用語を入れ替えて問われる。「マイナスの言葉ならICIDH、中立の言葉ならICF」と対にして覚え、ICFで新しく加わった見方まで押さえよう。
- 「活動」はできる活動(能力)としている活動(実行状況)を分けて評価する。この差を埋めるのがリハビリテーションの目標になる
- 環境因子には、家族・福祉用具・制度のように促進因子にも阻害因子にもなるものがある
| ICIDH(1980年) | ICF(2001年) |
|---|---|
| 機能・形態障害 | 心身機能・身体構造 |
| 能力障害 | 活動 |
| 社会的不利 | 参加 |
参考: 世界保健機関「国際生活機能分類(ICF)」/厚生労働省「国際生活機能分類—国際障害分類改訂版—」
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について