第106回 看護師国家試験 午前 問81 解説

一般精神看護学✔ 監修済み

📝 問題

精神科病院の閉鎖病棟に入院中の患者宛てに厚みのある封筒が届いた。差出人は記載されていなかった。当日の看護師の対応で適切なのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 差出人がわからない郵便物は、患者自身に開けてもらい、看護師はそこに立ち会う。

精神科病院に入院している人でも、信書の発受は制限できない。手紙は宛名の本人のもので、看護師が勝手に開けたり、渡さずにおいたり、家族へ回したりすることはできない。 ただし、刃物や薬物などの危険なものが同封されている疑いがあるときは、本人に開けてもらう。看護師はその場に立ち会い、危険なものがあれば預かったうえで、手紙そのものは本人に渡す。

他の選択肢は、いずれも信書の制限にあたる。破棄・転送・保管は、届いた手紙が本人の手に渡らないという点で同じである。看護師が先に開けて中身を読む対応も、本人の同意なしには行えない。

信書とは

特定の人に宛てて書かれた手紙のこと。受け取る権利は宛名の本人にあり、ほかの人が代わりに開けることはできない。

  • 1

    患者に渡さず破棄する。不正解

    患者宛ての郵便物を破棄することは、差出人がわからなくてもできない。信書を受け取るのは本人の権利である。

  • 2

    患者による開封に立ち会う。正解

    患者自身に開けてもらい、その場に立ち会う。危険なものが入っていないかを確かめながら、手紙を受け取る権利も守れる。

  • 3

    開封せず患者の家族に転送する。不正解

    家族へ転送すると本人に届かず、中身も家族に知られてしまう。宛先はあくまで患者本人である。

  • 4

    看護師が開封して内容を確認してから患者に渡す。不正解

    看護師が先に開けて読むことは、本人の同意がなければできない。立ち会うのは、患者が開けるところである。

  • 5

    退院まで開封せずにナースステーションで保管する。不正解

    ナースステーションでの保管は、届いた手紙を渡さないことと同じである。当日のうちに本人へ渡す。

📚 国試でよく狙われるところ

精神科の行動制限は、「どんな場合も制限できないもの」と「精神保健指定医でなければ判断できないもの」の線引きで問われる。どちらに入るかで覚えよう。

  • 制限できないのは信書のほか、人権擁護に関する行政機関の職員との電話・面会と、代理人である弁護士との電話・面会
  • 12時間を超える隔離と身体的拘束は、精神保健指定医でなければ判断できない
  • 身体的拘束のあいだは頻回に観察し、深部静脈血栓症を防ぐために足を動かし水分をとってもらう
  • 行動制限は必要最小限にとどめ、理由と開始・終了の時刻を診療録に記録する

参考: 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律/厚生労働省「精神科病院に入院する場合の処遇について」

出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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