第105回 看護師国家試験 午後 問95 解説
📝 問題
次の文を読み94〜96の問いに答えよ。Aさん(48歳、男性)は、横断歩道を歩行中に乗用車に衝突され、救命救急センターに搬送された。搬送時、呼びかけに開眼せず、四肢の筋緊張が亢進していた。呼吸数30/分、脈拍60/分、血圧142/98 mmHgであった。右側頭部と右肩甲骨部の擦過傷以外に目立った外傷はなかった。 Aさんは、硬膜下血腫および脳挫傷と診断され、硬膜下血腫に対して開頭血腫除去術が行われた。ICUに入室後、マンニトールの投与が開始された。 このときの体位で最も適切なのはどれか。
- 1座位
- 2腹臥位
- 3側臥位
- 4仰臥位
- 5Fowler〈ファウラー〉位
✅ 正解
出題時の取り扱いにより採点対象外(正答なし)とされた問題です。
💡 解説
✅ 本問は採点対象から除外された設問であり、正答は設定されていない。
本問は開頭術後の体位を問う設問だが、第105回では採点対象から除外された。正解となる選択肢は設定されていない。
学習上の要点として、開頭血腫除去術のあとマンニトールで脳のむくみを抑えている時期は、頭蓋内圧を上げない体位をとる。 目安は15〜30度の頭部挙上で、脳から心臓へ戻る血液の流れがよくなり、頭蓋内圧が下がる。 頸部はまっすぐに保ち、ねじったり深く曲げたりしない。頸静脈が押されると血液が頭にとどまる。 腹臥位や頭を低くした姿勢、腹圧のかかる動作は頭蓋内圧を上げるので避ける。
マンニトールとは
点滴で血液の浸透圧を高め、脳にたまった水分を血管へ引き出して頭蓋内圧を下げる薬。尿量が増えるので、水分と電解質のバランスをみる。
- 1
座位不正解
座位は上体を90度起こした姿勢である。術直後は血圧が変動しやすく、意識や瞳孔の観察も続けにくい。
- 2
腹臥位不正解
腹臥位はうつぶせの姿勢である。頸部がねじれて頭からの血液の戻りが滞りやすく、創部や顔色も見えない。
- 3
側臥位不正解
側臥位は横向きの姿勢である。嘔吐したときの誤嚥を防げる一方、頸部が曲がると頭からの血液の戻りを妨げる。
- 4
仰臥位不正解
仰臥位は水平に寝た姿勢である。頭を上げていないぶん、頭蓋内圧は下がりにくい。
- 5
Fowler〈ファウラー〉位不正解
ファウラー位は上体を45度前後まで起こした姿勢である。頭部の挙上は頭蓋内圧を下げる方向に働くが、角度が大きすぎると脳へ届く血流が減る。
📚 国試でよく狙われるところ
頭蓋内圧亢進は、圧を下げる行為と上げてしまう行為を入れ替えて問われる。「頭は上げる・首はまっすぐ・腹圧はかけない」と3つで覚えよう。
- 下げる工夫=頭部を挙上する、頸部を正中に保つ、静かで暗い環境にして刺激を減らす
- 上げてしまう行為=咳・怒責・気管吸引、頸部の屈曲やねじれ、腹圧のかかる動作
- 頭蓋内圧亢進の三徴は頭痛・嘔吐・うっ血乳頭
参考: 厚生労働省「第105回看護師国家試験における採点除外等の取扱いをした問題について」/医療情報科学研究所編『病気がみえる 脳・神経』
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について