第105回 看護師国家試験 午前 問95 解説
📝 問題
次の文を読み94〜96の問いに答えよ。Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90mmHgと尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgAが高値でIgA腎症が疑われ入院した。AさんはIgA腎症と診断され、塩分1日6gの減塩食が開始された。入院前は塩辛いものが好物で外食が多かったAさんは「味が薄くて食べた気がしない。退院後も続けられるかな」と話している。 このときの対応で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 薄味の物足りなさは、酸味や香味を利用して補うとよい。
Aさんは減塩そのものを断っているのではなく、味が薄いことに不満をもち、退院後も続けられるかを心配している。 必要なのは我慢を勧めることではなく、家で試せる具体的な工夫を伝えることである。
酢やレモンの酸味、しょうがやこしょうの香り、昆布やかつおのうまみは、食塩を足さずに味を立てる。焼き目の香ばしさも同じ働きをする。 物足りなさが残らないと分かれば、退院後も続けやすくなる。
残る4つは、我慢を求めるだけか、薄味の不満を解く手立てになっていない。
- 1
「つらいですが慣れてきます」不正解
つらさに共感してはいるが、そのあとの手立てがない。慣れるのを待つあいだに、自己流の味付けへ戻りやすい。
- 2
「最初に甘いものを食べてください」不正解
食べる順番を変えても、料理の塩味の物足りなさは変わらない。糖質のとりすぎにもつながる。
- 3
「各食事で均等に塩分を摂取しましょう」不正解
1日6gの範囲であれば配分は自由で、均等にする決まりはない。1食だけ普通の味付けにして他を薄味にするほうが、続けられることもある。
- 4
「酸味や香味を利用するとよいでしょう」正解
酢やレモンの酸味、香辛料や香味野菜の香り、だしのうまみで、食塩を足さずに満足感を出せる。その日の食卓からすぐ試せる。
- 5
「市販のレトルト食品は塩分が少ないので活用するとよいです」不正解
逆。レトルト食品や加工食品は保存と味付けのため食塩が多い。栄養成分表示の食塩相当量を見る習慣をつける。
📚 国試でよく狙われるところ
減塩は、目標の数値と台所での工夫の両方が問われる。数字と手立てを対にして覚えよう。
- 慢性腎臓病の減塩目標は1日6g未満。高血圧の治療でも同じ6g未満を目安にする。
- 国民全体の目標は健康日本21(第三次)で1日7gとされている。
- 汁物は1日1杯までにする、麺類のスープは残す、しょうゆは小皿に取ってつける——量そのものを減らす手立てもあわせて伝える。
参考: 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」/厚生労働省「健康日本21(第三次)」
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について