第105回 看護師国家試験 午前 問53 解説
📝 問題
Aちゃん(生後10か月、男児)は、先天性心疾患のため手術を受けた。Aちゃんの体重の変化を図に示す。手術後から現在までの体重の変化に対する評価で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 手術後に体重が急速に増えて発育曲線の帯へ戻っており、キャッチアップ現象と評価する。
図の7本の曲線はパーセンタイル値を表す。同じ月齢の子ども100人を体重の軽い順に並べたとき下から何番目にあたるかを示すもので、いちばん下が3、真ん中が50、いちばん上が97である。
Aちゃんの体重は、出生時は3kgあまりで50パーセンタイル付近にあった。1か月を過ぎたころから増え方が鈍り、手術を受けた生後3か月には約4.4kgで、いちばん下の3パーセンタイルの線よりも下へ外れている。先天性心疾患では心臓の仕事が増えて消費エネルギーが大きくなり、哺乳の途中で疲れてしまうため、体重が増えにくい。
手術の後は増え方が一気に速くなる。5か月ごろに3パーセンタイルの線へ戻り、7か月ごろには25パーセンタイルを越え、生後10か月では約9.1kgで50パーセンタイルに達している。曲線の帯を下から上へ横切って追いついたこの動きがキャッチアップ現象である。
- 1
体重増加の不良不正解
手術前の0〜3か月がこの状態にあたる。帯を下方へ横切って3パーセンタイル未満まで落ちていた。手術後の伸びは逆向きである。
- 2
過度な体重増加不正解
増え方は速いが、上限の97パーセンタイルを越えて外れてはいない。50パーセンタイルまで戻ったところで、曲線に沿う伸びに変わっている。
- 3
標準的な体重増加不正解
標準的な体重増加とは、同じパーセンタイルの帯に沿って伸びていくことをいう。Aちゃんの伸びは帯を横切っており、標準よりも明らかに速い。
- 4
キャッチアップ現象正解
発育を妨げていた原因が取り除かれたあと、遅れを取り戻すように急速に発育すること。3パーセンタイル未満から50パーセンタイルまで戻った動きがこれにあたる。
📚 国試でよく狙われるところ
発育曲線は、一時点の値ではなく帯に沿っているかを見る。線を横切る向きで判断しよう。 下方へ横切れば体重増加不良、原因が取り除かれて上方へ横切ればキャッチアップ現象である。 曲線のもとになる乳幼児身体発育調査は10年ごとに行われ、最新は令和5年(2023年)の調査である。令和7年(2025年)4月からの母子健康手帳には、この調査による発育曲線が載っている。
参考: こども家庭庁「令和5年乳幼児身体発育調査」/系統看護学講座 小児看護学
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について