第105回 看護師国家試験 午前 問30 解説
📝 問題
男性生殖器について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 前立腺は直腸の前面に位置する。
前立腺は膀胱のすぐ下で尿道を取り囲む臓器で、後ろは直腸に接している。直腸から指を入れて触れられるのはこのためで、直腸診で大きさや硬さを調べる。 分泌する前立腺液は精液の一部になり、精子が動きやすい環境をつくる。 加齢で内側が大きくなると尿道が圧迫され、前立腺肥大症として尿の勢いが落ちる、残尿が増えるといった症状が出る。
他の3つは、場所やはたらきの割り当てが違う。精巣は腹腔内ではなく陰囊の中にあり、精子をためるのは精囊ではなく精巣上体である。精巣静脈の流れ込む先は左右で異なる。
精巣上体とは
精巣の後ろにくっついた細長い器官。つくられた精子がここにためられ、動く力をもつまで成熟する。
- 1
精巣は腹腔内にある。不正解
精巣は陰囊の中にある。胎児のうちは腹腔内にあり、生まれる前後に陰囊へ下りてくる。下りきらずに止まったものが停留精巣。
- 2
精囊は精子を貯留する。不正解
精囊は精液の成分となる液を出す腺で、この液に含まれる果糖が精子のエネルギー源になる。精子をためて成熟させるのは精巣上体。
- 3
前立腺は直腸の前面に位置する。正解
前立腺は膀胱の下で尿道を取り囲み、後ろは直腸に接している。直腸診で触れられる位置にある。
- 4
右精巣静脈は腎静脈に流入する。不正解
腎静脈へ流れ込むのは左の精巣静脈で、右の精巣静脈は下大静脈へ直接注ぐ。
📚 ここも一緒におさえておこう
男性生殖器は、精子が通る順路と、精巣から戻る静脈の左右の違いが問われる。つくる・ためる・運ぶ・混ぜる、の役割分担で覚えよう。
- 精子は精巣でつくられ、精巣上体にためられて成熟する
- 射精のときは精管を通り、精囊と前立腺の分泌液が加わって精液になる
- 精巣が陰囊にあるのは、体温より低い温度でないと精子がつくられないため
- 左の精巣静脈は左腎静脈に、右の精巣静脈は下大静脈に注ぐ。左は圧がかかりやすく精索静脈瘤ができやすい
参考: 標準的な解剖生理学(男性生殖器)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について