第105回 看護師国家試験 午前 問102 解説

状況設定小児看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み100〜102の問いに答えよ。A君(6歳、男児)は、昨日午後から今朝にかけて5回の下痢便がみられ、体温が38.0℃であったため祖母と受診した。経口摂取は昨日の昼食が最後である。便の簡易検査の結果、ノロウイルスによる胃腸炎と診断され、個室に入院した。入院後、末梢静脈ラインが左手背に留置され持続点滴が開始された。両親は同様の症状があるため面会できない。祖母が帰宅した後、A君は顔をしかめ、側臥位で膝を腹部の方に寄せ抱えるようにしている。バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数36/分、心拍数120/分であった。入院後3日になったが両親は来院できない状況が続いている。A君は下痢が改善し体温も下がり笑顔がみられるようになった。看護師が清拭しながらA君と話していると「僕がお母さんの言うことを聞かなかったから病気になっちゃったんだ」と話した。 このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ まず気持ちを受け止めたうえで、病気になったのはA君のせいではないと伝える。

6歳のA君は「言うことを聞かなかったから病気になった」と話している。この年ごろの子どもは、病気やつらい処置を自分の行いへの罰と結びつけて考えやすい。 両親が3日間来られていないことも、その思いを強めている。

対応は2つを続けて行う。まず気持ちを受け止め、次にA君のせいではないとはっきり伝える。 否定だけを先に置くと気持ちの行き場がなくなり、受け止めるだけで終わると誤った思い込みが残る。

残る3つは、思い込みをそのまま認めるか、たしなめる言い方になっている。

  • 1

    「お母さんが悲しむからそんなことを言ってはいけないよ」不正解

    気持ちを口に出すこと自体をとがめている。A君は母親を悲しませたと感じ、罪悪感がさらに強まる。

  • 2

    「気持ちは分かるけれど病気になったのはA君のせいではないよ」正解

    「気持ちは分かる」で受け止めたうえで、病気の原因は自分の行いではないと言い切っている。6歳にも分かる言葉で誤解を解ける。

  • 3

    「A君の言うとおりだとすると入院している子はみんな悪い子なのかな」不正解

    問い返して自分で気づかせようとする言い方。6歳には筋道が追いにくく、責められたと受け取られる。

  • 4

    「お母さんの言うことを聞いていたら病気にならなかったかもしれないね」不正解

    言うことを聞かなかったから病気になった、という思い込みをそのまま認めている。罪悪感が残ったままになる。

📚 ここも一緒におさえておこう

入院した子どもの心の支えは、家族と離れる不安と処置のこわさをどう和らげるかで問われる。手立ての名前と中身を対にして覚えよう。

  • 処置の前に絵本や人形で見通しを伝えるのがプレパレーション。何をされるか分かると、こわさが減る。
  • 遊びを通して気持ちを出せるようにするのがプレイセラピー。言葉にならない不安が見えてくる。
  • 指しゃぶりやおねしょが戻る退行は入院中によくみられる。責めずに受け止める。

参考: 系統看護学講座 小児看護学

出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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