第104回 看護師国家試験 午後 問59 解説
📝 問題
Aさん(70歳、女性)は、夫のBさんと死別し、軽費老人ホームに入居している。Aさんは「今、再婚をしたいと思う好きな人ができたのに、70歳で再婚なんて恥ずかしいよと息子に叱られました。とても悲しいです」と話した。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 好きな人ができたというAさんの気持ちを、そのまま受け止める言葉を返す。
Aさんは、好きな人ができたことを息子に否定され、「とても悲しいです」と気持ちを打ち明けている。 ここで求められるのは、正しさを教えることでも息子との仲裁でもなく、そのまま受け止めることである。 「好きな人ができることは素敵なことですね」という返し方は、Aさんの感情を肯定したうえで、話を続けやすくする。 年齢を理由に恋愛や再婚を控えなければならない決まりはない。高齢になっても人を好きになる気持ちは自然なものとして受け止める。
他の3つは、Aさんの気持ちから離れてしまう。
- 1
「息子さんの気持ちは理解できます」不正解
叱った息子の側に立つ言葉で、Aさんは自分の気持ちを重ねて否定されたと感じる。まず向き合うのはAさんの悲しみである。
- 2
「他の職員の考えを聞いてみましょう」不正解
いま語られた気持ちへの応答を先送りにする言葉。Aさんは受け止めてもらえなかったと感じる。
- 3
「好きな人ができることは素敵なことですね」正解
Aさんの気持ちをそのまま肯定する言葉。安心して話を続けられ、これからどうしたいかを一緒に考えるきっかけになる。
- 4
「亡くなったBさんのことは忘れてしまったのですか」不正解
亡くなった夫を持ち出して責める言葉で、Aさんをさらに傷つける。
📚 ここも一緒におさえておこう
高齢者の心理は、看護師の返し方を選ばせる形で問われる。「まず気持ちを受け止めているか」を先に見て選ぼう。
- 受容は、相手の気持ちを良し悪しで評価せず、そのまま受け止めること
- 共感は、相手の立場に立ってその気持ちを感じ取り、言葉にして返すこと
- 気持ちを語り始めた場面では、助言・説得・話題の先送りを先に置かない
- 高齢者の恋愛や再婚は本人の意思が尊重される。家族が反対していても、まず本人の思いを聞く
参考: 標準的な老年看護学(高齢者の心理とコミュニケーション)
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について