第104回 看護師国家試験 午後 問37 解説
📝 問題
疾病の発生要因と疫学要因の組合せで正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 蚊やネズミなどの媒介動物は、環境要因にあたる。
疫学では、病気の起こり方を宿主要因・病因・環境要因の3つに分けて考える。 ・宿主要因=病気になる人の側の条件(年齢・性・遺伝・免疫・既往歴) ・病因=病気を起こすもの(細菌・ウイルス・化学物質・放射線) ・環境要因=人を取り巻く外側の条件(気候・住まい・食生活・職業・媒介動物)
蚊・ネズミ・ダニのような媒介動物は、病原体を人まで運ぶ生物学的な環境であり、環境要因に入る。
他の選択肢は、内と外の分け方が入れ替わっている。食事や職業は人を取り巻く外側の条件なので環境要因、細胞免疫は体の側がもつ抵抗力なので宿主要因である。
宿主とは
病原体が入り込んで住みつく相手側の生物のこと。人の感染症では人そのものを指す。
- 1
食事 ── 宿主要因不正解
食事(食習慣)は人を取り巻く外側の条件で、環境要因に分類される。
- 2
職業 ── 宿主要因不正解
職業は働く場の環境や作業の内容を決めるもので、社会的な環境要因にあたる。
- 3
細胞免疫 ── 環境要因不正解
細胞免疫はT細胞が担う獲得免疫で、その人がもつ抵抗力にあたる。宿主要因に分類される。
- 4
媒介動物 ── 環境要因正解
蚊やネズミなどの媒介動物は、生物学的な環境要因に分類される。
📚 混同しやすいので注意
疫学の3要因(宿主・病因・環境)と、感染成立の3要素(感染源・感染経路・感受性宿主)は、名前が似ていて入れ替えて問われる。前者は病気の起こり方の分類、後者は感染を断つ手立ての分類と、役割で見分けよう。
- 感染源への対策=患者の早期発見と治療、消毒・滅菌、感染した動物の駆除。
- 感染経路への対策=標準予防策と手指衛生、経路別の予防策、媒介動物の駆除。
- 感受性宿主への対策=予防接種、栄養と休養による体力の維持。
参考: 国民衛生の動向/系統看護学講座 健康支援と社会保障制度
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について