第104回 看護師国家試験 午後 問116 解説
📝 問題
次の文を読み115〜117の問いに答えよ。Aさん(35歳、男性、建設業)は、両親と3人で暮らしている。3年前の仕事中に屋根から転落して、第12胸髄を損傷した。1か月前から車で作業所に通い、作業中はほとんど車椅子に座っている。週1回の訪問看護を利用している。 Aさんは繰り返し使用できるカテーテルによる間欠的自己導尿を行っている。 排尿のセルフケアの指導として最も適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 急に発熱したときは医師に連絡するよう伝えるのが最も適切である。
間欠的自己導尿を続けている人が急に熱を出したときは、まず尿路感染を疑う。脊髄を損傷していると腰や背中の痛み、排尿時の痛みといった手がかりが出にくく、発熱が唯一のサインになることがある。放置すると腎盂腎炎から全身に広がるので、その日のうちに医師へ連絡する。
残る3つは、自己導尿の指導として正しくない。 24時間の蓄尿は検査のときに行うもので、日常は1回ごとの導尿量と回数を記録すれば足りる。 在宅で続ける自己導尿は清潔操作で行い、毎回の手洗いと陰部の清潔で感染を防ぐ。 カテーテルを保管するケースの消毒薬は毎日交換する。
間欠的自己導尿とは
自分で尿道からカテーテルを入れ、時間を決めて膀胱の尿を出す方法。膀胱にためすぎないことで腎臓を守る。
- 1
24時間の蓄尿を勧める。不正解
24時間の蓄尿は腎機能などを調べる検査のときに行う。日常の記録は、1回ごとの導尿量と回数を書き留めれば足りる。
- 2
カテーテルの挿入は無菌操作で行う。不正解
無菌操作は医療機関で行う導尿の方法。自宅で毎日続ける自己導尿は、手洗いと陰部の清潔を守る清潔操作で行う。
- 3
急に発熱した場合は医師に連絡する。正解
自己導尿を続けている人の急な発熱は尿路感染を疑うサイン。脊髄損傷では痛みの自覚が乏しく、発熱が唯一の手がかりになることがある。
- 4
カテーテルを保管するケースの消毒薬は週1回交換する。不正解
保管ケースの消毒薬は毎日交換する。週1回では消毒の効果が落ち、カテーテルが汚染される。
📚 ここも一緒におさえておこう
自己導尿は、回数・水分のとり方・カテーテルの扱いがまとめて問われる。膀胱にためすぎないことを軸に覚えよう。
- 1日4〜6回を目安に時間を決めて行い、膀胱に尿をためすぎないようにする
- 水分を十分にとって尿量を保つと、細菌が洗い流されて感染の予防になる
- 現在は1回ごとに使い捨てる単回使用のカテーテルも広く使われ、消毒液での保管が要らない
参考: 日本排尿機能学会 脊髄損傷における下部尿路機能障害の診療ガイドライン/系統看護学講座 在宅看護論
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について