第103回 看護師国家試験 午後 問89 解説
📝 問題
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律により、病院の管理者が精神科病院に入院中の者に対して制限できるのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
3・4
💡 解説
✅ 病院の管理者が制限できるのは、任意入院患者の開放処遇と、信書の中の異物の受け渡しである。
精神科病院での行動制限は必要最小限にとどめると法律で定められている。なかでも信書(手紙)の発受と、弁護士や人権擁護に関する行政機関の職員との面会・電話は、どんな場合でも制限できない。外へ助けを求める道を閉ざさないためである。
制限できるのは2つ。 1つは信書の中の異物で、刃物や薬物などが入っていると疑われるときは、患者自身に開封させて異物だけを取り除き、手紙そのものは渡す。 もう1つは任意入院患者の開放処遇で、症状によって日中の病院の出入りを制限するなどの措置を、医師が必要と判断したときに行える。
信書とは
特定の相手に宛てた手紙のこと。精神科病院では、出すことも受け取ることも制限できないと法律で決められている。
- 1
手紙の発信不正解
手紙の発信は信書の発受にあたり、どんな場合でも制限できない。相手や通数を限ることもできない。
- 2
弁護士との面会不正解
代理人である弁護士との面会は、患者が自分の権利を守るための手段なので制限できない。電話も同じ扱いになる。
- 3
任意入院患者の開放処遇正解
任意入院は本人の同意による入院だが、症状によっては日中も病棟から出られないようにするなど、開放処遇を制限できる。制限したときは理由を診療録に記載する。
- 4
信書の中の異物の受け渡し正解
信書そのものは制限できないが、中に刃物や薬物などの異物があると疑われるときは、患者本人に開封してもらい、異物だけを取り除く。
- 5
人権擁護に関する行政機関の職員との電話不正解
人権擁護に関する行政機関の職員との電話は、患者が外へ訴え出る手段なので制限できない。病院は電話機を置き、連絡先を分かるように掲示する。
📚 国試でよく狙われるところ
行動制限は、制限できるものとできないものを入れ替えて問われる。「外へ助けを求める道はふさげない」と一本の線を引いて覚えよう。
- どんな場合でも制限できない=信書の発受、弁護士や人権擁護に関する行政機関の職員との面会・電話
- 隔離は12時間を超えるとき、身体的拘束はすべて精神保健指定医が判断する
- 隔離や身体的拘束を行ったら、理由と開始・終了の日時を診療録に記載し、頻回に観察する
参考: 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律/厚生労働省「精神科病院における処遇の基準」
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について