第103回 看護師国家試験 午後 問72 解説

一般在宅看護論✔ 監修済み

📝 問題

健康保険法による訪問看護サービスで正しいのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 健康保険法による訪問看護では、末期の悪性腫瘍の療養者への訪問回数に制限はない。

医療保険による訪問看護は、原則として週3日までである。 ただし厚生労働大臣が定める疾病等にあてはまる人は、この制限がなくなり、必要なだけ訪問できる。 末期の悪性腫瘍はこの中に含まれる。

残る3つは、介護保険の仕組みや別の制度と混ざっている。 65歳以上で要介護の認定を受けている人は介護保険の訪問看護が先に使われるが、医療保険の側に年齢の決まりはない。 居宅サービス計画(ケアプラン)を作るのは介護保険の仕組みで、医療保険では主治医の訪問看護指示書にもとづいて訪問看護師が訪問看護計画書を作る。 出題時点の特定疾患医療受給者証では、訪問看護の自己負担は生じず、全額が公費で賄われていた。1割ではない。 この制度は2015年に難病法へ移り、いまは指定難病の医療費助成として自己負担が2割になっている。

厚生労働大臣が定める疾病等とは

末期の悪性腫瘍や神経の難病など、医療の必要度が高い状態をまとめた一覧。あてはまると要介護認定があっても医療保険の訪問看護になり、訪問回数の制限もなくなる。

  • 1

    サービス対象は65歳以上である。不正解

    医療保険の訪問看護に年齢の決まりはない。65歳以上でも要介護認定を受けていなければ医療保険で受けられる。

  • 2

    介護支援専門員がケアプランを作成する。不正解

    居宅サービス計画を作るのは介護保険の仕組み。医療保険では主治医の指示書にもとづいて訪問看護師が計画を立てる。

  • 3

    末期の悪性腫瘍の療養者への訪問回数に制限はない。正解

    末期の悪性腫瘍は厚生労働大臣が定める疾病等にあたり、原則週3日までという制限がなくなる。

  • 4

    特定疾患医療受給者証を持っている者は自己負担額1割である。不正解

    1割と決まっていたことはない。出題時点の訪問看護は全額が公費で賄われ、自己負担そのものがなかった。現在は難病法にもとづく指定難病の医療費助成に変わり、訪問看護も含めて自己負担は2割。

📚 国試でよく狙われるところ

訪問看護は、医療保険と介護保険のどちらから給付されるかを入れ替えて問われる。要介護認定があれば介護保険が先、という原則と、それを覆す例外を対で覚えよう。

  • 要介護・要支援の認定を受けている人は、介護保険の訪問看護が医療保険よりも優先される
  • 例外は、厚生労働大臣が定める疾病等にあてはまるとき、特別訪問看護指示書が出ているとき、精神科訪問看護のとき
  • 厚生労働大臣が定める疾病等には、末期の悪性腫瘍・筋萎縮性側索硬化症・多発性硬化症・人工呼吸器を使用している状態などが並ぶ

参考: 厚生労働省「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」/厚生労働省「難病対策」

出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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